研究課題/領域番号 |
21K03103
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
菊池 安希子 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (60392445)
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研究分担者 |
藤井 千代 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部, 部長 (00513178)
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ドメスティック・バイオレンス / リスクアセスメント / 被害者支援 |
研究実績の概要 |
Danger Assessment(DA)は米国において開発された致死的DVが起こるリスクを判定するためのアセスメントツールである。 本邦においては、銃規制の違いから、銃による「致死的暴力」が生じるリスクは極めて低い。本研究では、DA-Jを致死的暴力ではなく「暴力重症化リスク」を判定するツールとして妥当性を持つかどうかを検討する。研究開始当初、「暴力重症化」の暴力は、身体的暴力を指すものと定義し、併存的妥当性を検証するために、身体的暴力の重症度尺度を作成し、使用することとした。一方、DVの被害は、身体的被害だけでなく、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を始めとする精神面への傷害も知られている。実際、本邦のDV防止法が改正されたことにより、平成6年4月から「精神的暴力への保護の拡大」がなされることになり、精神的暴力の重症化リスクもまた検討を要すると考えられた。そこで本年度は、精神的暴力の影響についての文献レビューを実施した。Domestic Violenceまたはintimate partner violenceを受けることとPTSDの関連について調査した文献を調査した。その結果、精神的暴力は身体的暴力と同等またはそれ以上に心身に危害を及ぼしていることが示唆された。精神的暴力の方が身体的暴力よりもPTSDの予測妥当性が高いと結論している研究も複数、存在していた。 DA日本版においては、身体的暴力関連要因だけでなく、精神的暴力に関連した項目を追加し、結果として生じた身体的被害及び精神的被害(PTSD症状、DV被害に特徴的な思考)を外的基準として妥当性を検討することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者の職務が、研究計画当初と異なるために、研究実施に使える時間や設備が大幅に異なり、昨年の研究遂行を計画通りに行うことが出来なかった。
研究計画当初と同様の研究目的に沿った研究を行うために、研究計画を変更することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、Danger Assessment日本版(DA-J)の「身体的暴力重症化」と「精神的暴力重症化」の併存的妥当性を質問紙調査で検討する。そのためDAJにおいては、身体的暴力関連要因だけでなく、精神的暴力に関連した項目を追加し、結果として生じた身体的被害及び精神的被害(PTSD症状、DV被害に特徴的な思考)を外的基準として妥当性を検討する。調査対象は、DVを受け、シェルター入所経験のある女性とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が計画通りに進んでおらず、研究協力謝金として使用する額を繰り越しているため。 DVシェルターネットワークへの協力謝金、ならびに、データ収集とデータ管理のための人件費、印刷等にかかるトナーなどの物品費に使用予定である。
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