| 研究課題/領域番号 |
21K03105
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
冨高 辰一郎 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00237124)
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| 研究分担者 |
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 指数分布 / うつ病 / 抑うつ症状 / 全般性不安障害 / 数理モデル |
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| 研究実績の概要 |
うつ病は現在社会を悩ます深刻な病気の一つである。そして現在のうつ病の診断や評価は、抑うつ尺度の重症度を評価することによって行われる。では一般人口において、抑うつ尺度の重症度はどのような数理学的な分布を呈するのだろうか？
意外なことに先行研究はほとんどなかった。我々は大規模なサンプルサイズのデータを用いれば、一般人口における抑うつ評価尺度の項目反応や総スコアの分布に何らかの特徴的な数理パターンが見出せるのではないかと仮説を立て、研究を開始した。
日米の一般人口の調査データを用いて抑うつ評価尺度K6の分布を解析した。その結果、いずれのデータにおいてもK6スコアの分布には共通するパターンが存在することが明らかになった。具体的には、最少スコア部分を除いて指数分布に従うことを見出した（Tomitaka et al. 2021:BMC psychiatry )。
もう一つの実績として抑うつ症状と不安症状が同じ分布モデルに従うことを明らかにした。以前よりうつ病は不安障害と合併しやすいことが以前から知られていた。我々は抑うつ症状と不安症状が同じ数理パターンの分布を示すのではないかと仮説を基に、米国の大規模疫学調査のデータを用いてこの仮説を検証した。うつ病の評価尺度であるPHQ-8と全般性不安障害の評価尺度であるGAD-7の症状の分布を調べたところ、いずれの症状でも同じ数理パターンを示すことが明らかになった（Tomitaka et al 2021:BMC Psychology )。
今後はなぜこのような現象が起きるのか、そのメカニズムについて研究を進めていきたい。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載したように、研究は順調に進み、これまで英文学術誌に日本の論文が掲載されている。またその内容を日本の国内学会でも発表した
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| 今後の研究の推進方策 |
これまで日欧米のCES-D,PHQ-9やK6といった評価尺度の公的データを用いて抑うつ尺度や不安尺度の分布モデルを明らかにしてきた。今後は一般人口以外の集団でも調査を行い、更に分布のモデルを明かにしたい。
更にこのような現象が起きるメカニズムを明らかにする。そのためには、抑うつ評価尺度の数理学的な考察を行い、モデル化のための理論を作成する。またモデルの理論を検証するためのシミュレーション等を行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究が早くすすんだため、研究費の前倒しを行った。しかし論文掲載が遅れたため、実際の費用は翌年度に発生することになった。研究計画自体は順調に進んでいる。
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