研究課題/領域番号 |
21K03115
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
山口 綾乃 立教大学, コミュニティ福祉学部, 助教 (40592548)
|
研究分担者 |
小塩 真司 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60343654)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | grattiude / life satisfaction / sympathy / social capital / trust / social support / health / well-being |
研究実績の概要 |
ここ近年、新型コロナウィルスが蔓延し、ロシアからのウクライナへの侵攻など、世界中で様々な問題が起きている。グローバルな視点に基づいて、人々の幸福感や、生きるとは?といったことが問われている時代になった。研究代表者が令和3年度に行った2つの主要研究についての研究結果、考察、発展をここに説明する。
第1研究として、文化の多様性の視点から捉えた感謝する想いや健康に対する価値観、生きがいなどのウェルビーング、そして幸福感や悲観性やうつ傾向について調べることを目的とした。本稿は、第2次資料を使用し、横断的な研究手法を生かして、日米の中高年齢層の感謝する想いや健康に対する価値観、生きがいなどのウェルビーングについての様々な視点から検証した。結果として感謝する想いを持つ際、あるいは、健康に対する想い、さらには、人々が生きる生きがいやウェルビーングについて、日米での違いを発見した。
第2の研究として、日本の中高年齢層のポジティブ感情と日々の生活に関する満足度について長期的な分析手法を用いて、検討した。ポジティブ感情を拡張形成理論によって、日本の中高年齢層における感謝する想い、相手を批判すること、そして、人生への満足について量的調査を行い、結果として3つのキーワードが中心となっている日本の中高年層の感謝モデルを提唱することができた。感謝する想い、自分を批判すること=相手の面子を立てるコミュニケーションを大事にし、そして、人生への満足を長期的な統計手法を用いて分析してみると、日本人は感謝の気持ちを持てば持つほど、相手とのコミュニケーションをとる中で、自分を批判しながら、低姿勢に相手の面子を立て、相手とのコミュニケーションを円滑にしていくことで、さらに、人生への満足度を高める結果となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1研究として、横断的な研究手法を生かして、日米の中高年齢層の感謝する想いや健康に対する価値観、生きがいなどのウェルビーングについての様々な視点から予定通り、調査・検証を行い、結果として感謝する想いを持つ際、あるいは、健康に対する想い、さらには、人々が生きる生きがいやウェルビーングについて、日米での違いを発見した。
第2の研究として、日本の中高年齢層のポジティブ感情と日々の生活に関する満足度について長期的な分析手法を用いて、検討した。ポジティブ感情を拡張形成理論によって、日本の中高年齢層における感謝する想い、相手を批判すること、そして、人生への満足について調査予定通り、量的調査・検証を行い、結果として3つのキーワードが中心となっている日本の中高年層の感謝モデルを提唱することができた。感謝する想い、自分を批判すること=相手の面子を立てるコミュニケーションを大事にし、そして、人生への満足を長期的な統計手法を用いて分析してみると、日本人は感謝の気持ちを持てば持つほど、相手とのコミュニケーションをとる中で、自分を批判しながら、低姿勢に相手の面子を立て、相手とのコミュニケーションを円滑にしていくことで、さらに、人生への満足度を高めることが明らかになった。
以上により、おおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
主な2つの研究結果を通してわかったことは、これまでに行われてきたポジティブ感情研究は欧米で行われたものが多く、日本のような集団主義を重んじる東アジア文化圏から、ポジティブ感情に関して文化による対人関係の在り方や他者とのつながりからの信頼関係、共感力、回復力(レジリエンス)と共にマインドフルコミュニケーションや、あるいは、AIとコミュニケーションという新しい視点を考慮に入れる傾向がある。そのため、日本人の中高年齢層のウェルビーングにおける変化を見るために、多様なコミュニケーションとその幸福感、健康レベルを検証することを目的とする。 今後の研究の推進方策としては, ①多様なコミュニケーションとその幸福感、健康レベルに関する経緯と現状、②文化による対人関係の在り方や他者とのつながりからの信頼関係、共感力、回復力(レジリエンス)について文献レビューを行う③問題の概要を紹介し、④縦断的研究ならびに横断的研究からのアプローチにおいて、多様なコミュニケーションとその幸福感、健康レベルを検証し、⑤感謝モデルを“Circle of Virtue" Theory of Positive Emotionsとして検証し、⑥さらに、AIとコミュニケーションの視点から検証することを目的とする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の関係で、国際学会に参加する際の渡米費用などがかからなくなったため、使用金額に変更が生じた。さらに、日米共同研究のため、米国に出張することになっていたが、新型コロナウィルス感染症の関係で、渡米ができず、オンラインで打ち合わせをすることになったため、使用金額に変更が生じた。次年度以降は研究資料入手や調査依頼、論文校正、学会発表の費用等に使用する計画である。
|