研究課題/領域番号 |
21K03123
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
柳田 紀之 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 小児科, 部長 (40436150)
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研究分担者 |
海老澤 元宏 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 臨床研究センター, センター長 (30338876)
佐藤 さくら 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 病因・病態研究室, 室長 (90398272)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アレルギー / 食物アレルギー / 生活の質 / アンケート / 小児 |
研究実績の概要 |
背景(1) 移行期~成人期食物アレルギーのアンメットニーズ調査の必要性:食物アレルギー患者は原因食物の除去が必要であり、食事などの日常生活が制限される。食物アレルギーはこの十数年で2倍に増えており、幼児期発症の食物アレルギーの約1-2割が成人期に持ち越す。特に小児科から成人科への移行期には就学、就職、結婚、妊娠、出産などのライフイベントが多く、これらの場面では様々なアンメットニーズが存在する。しかし、その現状は十分に把握されておらず、アンメットニーズの「見える化」が必要である。 背景(2)日本における調査の必要性:食物アレルギーのアンメットニーズは食文化や生活様式、社会システムが異なる他国のデータを参考にするのが難しく、国際的な評価指標を用いた指標に加えて、日本人を対象とした調査指標により生活満足度を可視化する必要がある。また、アレルギー診療には地域格差が存在するが、アンメットニーズの地域格差は明らかではなく、地域格差の有無や優先的に改善すべき地域を明らかにする必要がある。 背景(3)予防的・先制的医療を実現するための研究の必要性:成人期の食物アレルギー患者のQOL悪化に関連する小児期の因子は明らかではなく、予防的・先制的医療を実現するためには、成人科と小児科にまたがった連続的なデータをつなげて解析する研究が必要である。 研究目的 本研究の目的は(1)食物アレルギーの移行期~成人期におけるアンメットニーズを把握し、(2)地域格差を明らかにし、(3)QOL悪化の背景を可視化し、層別化医療や予防的・先制的医療実現の一助とすることである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンメットニーズ調査について、56例について確認できた。 成人科や心理士と共同で成人の食物アレルギーのQOLの国際指標(FAQLQ)を日本語化し、著者の確認を得た。思春期用と成人用のそれぞれの日本語版を作成した。 上記を踏まえて、より大きな対象に調査を行うことが可能になった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度のアンメットニーズ調査を元に、質問紙を調整し、より多数の対象にアンメットニーズ調査を行う。日本で初めて、日本語化された成人用FAQLQを用いて、多くの対象に調査を行い、妥当性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究費で支出できたため。外注の支払いの年度が次年度以降となったため。
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