研究課題/領域番号 |
21K03143
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
十河 宏行 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90359795)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | eye tracker / web camera |
研究実績の概要 |
今年度は、これまでに虹彩検出、顔方向推定用に作成していたコードを連携させて、アイトラッカーのアプリケーションとしての機能を実装するためのコード作成を中心におこなった。申請者が作成したアイトラッカーアプリケーションであるSimpleGazeTrackerと同等のプロトコルを用いてTCP/IP通信で制御をおこなう機能、線形モデルによるキャリブレーションをおこなう機能を実装した。SimpleGazeTrackerと同等のプロトコルを実装したことにより、GazeParserパッケージを用いてPsychoPyと連携させてキャリブレーションから測定までをおこなうことができるようになった。ただし、GazeParserがもつセッション中の測定データの転送には未対応なほか、測定データの出力形式がSimpleGazeTrackerと異なるため、GazeParserによる測定データの分析には今後対応していく必要がある。 虹彩検出についていくつかの方法を検討した結果、顔検出によって切り出された目周辺画像に対して虹彩のエッジを特徴点として検出する方法が暗い色の眼鏡フレームの影響を受けにくかったため、この方法による実装を完成させることを当面の目標とすることを決定した。この方法の実装には特徴点を標識した目の画像を用いて検出器を学習させる必要があるため、学習用の目画像の収集をおこなうこととした。計画では本年度中に収集を開始する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行のため次年度以降に延期した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年1月から虹彩検出学習用の画像データ収集およびアノテーションを開始する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の再流行にともない中止せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
延期した目画像の収集を開始する。感染症の流行はいまだおさまる気配がないため、所属機関の感染症対策の状況を踏まえながら実施できる方法を模索する。また、ここまでの作業で顔方向推定及び虹彩検出のノイズが非常に大きいことが明らかになったため、ノイズを低減させるためのフィルタを実装する。そのために、ノイズの統計的な性質の評価と、適切なフィルタの選択のための実験をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
虹彩検出器の学習のために必要な目画像の収集が新型コロナウイルス感染症の流行により延期されたため、そのために想定していた出費がなかった。また、本年度はこのプロジェクトに関して学会発表をおこなわなかったため、発表に関する出費もなかった。 次年度は目画像の収集を開始するとともに、現在までの成果について学会発表をおこないたい。
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