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2023 年度 実績報告書

雄マウス求愛発声と性的動機づけを担うドーパミン神経投射経路の同定

研究課題

研究課題/領域番号 21K03144
研究機関鹿児島大学

研究代表者

菅野 康太  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (80722470)

研究分担者 奥野 浩行  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80272417)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード超音波発声 / 音声コミュニケーション / マウス
研究実績の概要

本研究は、超音波でなされるマウスの求愛発声に表現される情動状態と、特定の神経活動との関係を対応づけることを目的として行われた。特に我々は、動機づけを制御するドーパミン神経系に着目していた。つまり、雌と出会った際に多くの発声を示す雄個体はドーパミン神経の活性化によって性的動機づけが高まっており、この内的状態が発声として表出されていると仮説立てていた。また、発声の頻度の高さのみならず、性的動機づけが高い個体の超音波発声には、音響特性としても情動状態が表出されているだろうとも予想していた。ドーパミン神経の活性が高まることで、特徴的な声が発せられると想定したわけである。そこで本研究で具体的に行おうとしたことが、以下の(1)-(3)の3点である。主にC57BL/6J(B6)系統を用いて実験を行った。
(1)ファイバーフォトメトリーによる発声中の雄マウスのドーパミン神経における神経活動イメージング:残念ながら、仮説検証が可能な計測をすることができなかった。原因はまだ特定出来ていない。
(2)神経活動操作による発声の制御:ドーパミン神経の活性化を光遺伝学によって抑制すると、発声が減少することをリアルタイムに観察することを目的に行った。しかし、(1)同様に上手く実験系を立ち上げられなかった。
(3)音響特徴の自動解析と神経活動の関係:性的動機づけが高まっている際には、声が「盛り上がり」を見せると想定し、そのような音響特徴を定量できる方法を開発した。声の抑揚の強さを周波数の変動係数として定量するcvfreqという指標を定めた(Lan et al., 2023 業績参照)。また、ドーパミン神経が活性化している際にcvfreqで定量される抑揚も強くなると考えていたが、(1)が達成されなかったため、この検証を行うことはできなかった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (4件)

  • [雑誌論文] 動物の鳴き声の"個性" -特集 脳と個性 Ⅲ."個性"の実験的理解2024

    • 著者名/発表者名
      菅野 康太
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 75 ページ: 69~73

    • DOI

      10.11477/mf.2425201817

  • [雑誌論文] Chronic exposure of female mice to selective serotonin reuptake inhibitors during lactation induces vocal behavior deficits in pre-weaned offspring2023

    • 著者名/発表者名
      Lan Ziguo、Tachibana Ryosuke O.、Kanno Kouta
    • 雑誌名

      Pharmacology Biochemistry and Behavior

      巻: 230 ページ: 173606~173606

    • DOI

      10.1016/j.pbb.2023.173606

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acoustic Properties and Biological Significance of Ultrasonic Vocalizations in Rodents: Emotional Expressions.2023

    • 著者名/発表者名
      Okabe Shota、Kanno Kouta
    • 雑誌名

      In: Seki, Y. (eds) Acoustic Communication in Animals (Chapter 10, pp153-173). Springer, Singapore.

      巻: - ページ: 153~173

    • DOI

      10.1007/978-981-99-0831-8_10

  • [学会発表] 性特異行動としてマウス超音波発声2023

    • 著者名/発表者名
      菅野康太
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会シンポジウム「性差に着目した神経科学研究最前線」
    • 国際学会
  • [備考] 研究室ウェブサイト

    • URL

      https://cannonolab.com

  • [備考] 鹿児島大学研究者総覧

    • URL

      https://ris.kuas.kagoshima-u.ac.jp/html/100006503_ja.html#item_ronbn_2

  • [備考] Researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/can-no/?lang=ja

  • [備考] Vocal Communication Japan

    • URL

      https://sites.google.com/view/vocalcommuj/home

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公開日: 2024-12-25  

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