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2022 年度 実施状況報告書

ギャンブル依存におけるエピソード記憶の認知バイアスへの影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K03148
研究機関東北福祉大学

研究代表者

重宗 弥生  東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (70547273)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードギャンブル依存 / 報酬 / 罰 / エピソード記憶 / 脳機能イメージング / fMRI / 認知神経科学
研究実績の概要

日本での特定複合観光施設区域整備法(IR法)の施行に伴い、ギャンブル依存の病態解明は喫緊の課題とされている。これまでギャンブル依存において、ギャンブルの経験がどのように蓄積されているかや、その蓄積された記憶が行動にどのような影響を与えているかは検討されてこなかった。ギャンブル依存の者が、多くの負けを経験しているにもかかわらずギャンブルを続けてしまうのは、勝った時の事をよりよく覚えており、負けた時の事は忘れてしまっている可能性が考えられる。本研究では、問題ギャンブラーにおけるエピソード記憶のバイアスとその行動への影響について、自伝的記憶の質的検討を行うと共に、functional Magnetic Resonance Imaging (fMRI)を用いた神経基盤の検討を行うことで明らかにする。
令和4年度は、問題ギャンブラーの記憶のバイアスがギャンブル行動へ与える影響についてのfMRI研究を進めると共に、問題ギャンブラーの自伝的記憶の質的検討の研究を進めていった。具体的には、MRIの利用申請の手続きを行った上で、ギャンブル依存尺度の質問紙を元にfMRI実験の参加者の選定を行い、選定した参加者のデータ収集を完了させた。現在は、収集したデータの解析を進めているところである。自伝的記憶の質的検討では、実験準備を完了させ、オンラインでのデータ収集を開始するところである。また、ギャンブル依存に関係するドーパミン神経系の働きについて検討するため、問題ギャンブラーのギャンブル課題中の瞳孔径についての研究と、ゲーム理論を用いた報復と瞳孔径の関係についての研究を行った。問題ギャンブラーのギャンブル課題中の瞳孔径についての研究の成果については、論文の執筆が完了したため、国際的な学術誌に投稿される予定である。報復と瞳孔径の関係についての研究の成果は、データ解析が完了したため、国内の学会で発表され、論文としてまとめられる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者が申請時とは別の研究機関に着任し、新たな研究環境で研究を進める必要があったことと、新型コロナウィルス感染症により研究遂行に制限が生じたことにより、進行に遅れがみられている。しかし、これまでにfMRIを用いた研究のデータ収集を完了させ、現在は、次のfMRIを用いた研究の準備を進めると共に、問題ギャンブラーのエピソード記憶の質的な研究のデータ収集を開始するところである。そのため、全体的な達成度としては「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルス感染症に対する研究機関の対応が緩和されることから、遅れを取り戻せるよう、実験データの収集を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた主要な理由は、研究の進行に遅れが出ているため、使用する予定であった3T-MIR設備利用費と実験参加者への謝金がまだ使用されていないためである。今後、実験データの収集を行うことで、それらの予算を使用していく。

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公開日: 2023-12-25  

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