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2021 年度 実施状況報告書

Fano多様体の導来圏の半直交分解とベクトル束

研究課題

研究課題/領域番号 21K03158
研究機関電気通信大学

研究代表者

大野 真裕  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70277820)

研究分担者 寺川 宏之  都留文科大学, 教養学部, 教授 (80277863)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードFano多様体 / ネフなベクトル束
研究実績の概要

2021年度には,まず,論文"Nef vector bundles on a projective space or a hyperquadric with the first Chern class small"が掲載決定となった.この論文では,完備な強い意味での例外ベクトル束列をもつ非特異射影多様体上の連接層の(大雑把な)局所自由分解の与え方を提示して,それ以前に知られていた第1チャーン類が小さいネフなベクトル束の分類結果の別証明を与えている.また,曲面上の大域切断をもつネフなベクトル束の第2チャーン類の上限も与えている.この論文の中では,既知の結果の別証明しか与えていないためもあってか,ここで提示した方法が,従来の方法に比べてどう良いのかがなかなか理解されず,掲載決定になるまでに時間がかかってしまったが,ここで提示した方法や基本的な方針が,その後の新規の結果,射影空間上の第1チャーン類が3のネフなベクトル束の分類や,2次曲面上の第1チャーン類が(2,1)のネフなベクトル束の分類につながっており,重要である.また,この論文で与えた,曲面上のネフなベクトル束の第2チャーン類の上限は,大域切断をもつという条件があると,持たない場合にくらべて,上限の評価がずっと厳しくなるというものであり,分類の途中で,大域切断の有無を判定するのに非常に有効である.実際,この上限を使って,2021年度には,2次曲面上の第1チャーン類が(2,2)のネフなベクトル束の分類を完成させて論文にまとめることができた.なお,研究分担者の寺川宏之は,GrothendieckのUniverseについて,基本的文献での定義を精査比較して,その理解を深めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

論文が一つ掲載され,また,もう一つ別の論文をまとめることができたため.

今後の研究の推進方策

当初の計画どおりにすすめる.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は,当初希望していた物品等は無事予算内で購入でき,また,残りの3万円弱は次年度にまわして,3万円以上の物品やソフトの購入に当てた方が予算を有効に活用できると考えたため.2022年度に購入を予定していたものに使用する計画である.

備考

寺川宏之,A note on Grothendieck universes,都留文科大学研究紀要第94集,pp.151--162,2021年10月

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Nef vector bundles on a projective space or a hyperquadric with the first Chern class small2021

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Ohno
    • 雑誌名

      Rendiconti del Circolo Matematico di Palermo Series 2

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1007/s12215-021-00626-6

    • 査読あり
  • [備考] 電気通信大学大学院情報理工学研究科 大野真裕

    • URL

      http://kjk.office.uec.ac.jp/Profiles/6/0000506/profile.html

  • [備考] 電気通信大学大学院情報理工学研究科 大野真裕の発表論文

    • URL

      http://kjk.office.uec.ac.jp/Profiles/6/0000506/theses1.html

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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