| 研究課題/領域番号 |
21K03174
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| 研究機関 | 筑波大学 |
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研究代表者 |
桑原 敏郎 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (60524725)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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| キーワード | アフィンリー代数 / カイラル微分作用素 / グラスマン多様体 / 射影空間 / 頂点代数 |
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| 研究実績の概要 |
グラスマン多様体や射影空間の上の変形カイラル微分作用素の代数の層を構成し、その構造と特定のレベルにおけるA型アフィンリー代数の単純真空表現との関係を研究し、またそのような幾何学的な構成法を応用してアフィンリー代数の表現論を研究している。
2021年度では、一般線形群の上の変形カイラル微分作用素の代数の層からBRST簡約のようなコホモロジーによる構成によってグラスマン多様体や射影空間上の変形カイラル微分作用素の代数の層が構成できないのかについて研究を行なった。
またグラスマン多様体や射影空間の上の変形カイラル微分作用素から自然に構成できるA型アフィンリー代数の脇本加群に対してスクリーニング作用素の構成を試みた。スクリーニング作用素は異なる最高ウェイトを持つ脇本加群の間のアフィンリー代数の作用と可換な作用素である。研究の結果、グラスマン多様体や射影空間の場合においてスクリーニング作用素の具体的な構成に関して一部で肯定的な結果を得た。今後さらにスクリーニング作用素の幾何学的な背景などを考察することによって、グラスマン多様体や射影空間の場合を含む、変形カイラル微分作用素の層から構成される脇本加群に対してスクリーニング作用素を構成することは今後の重要な研究課題のひとつと考えている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大の影響などにより、2021年度に計画していた研究出張が実施できなかった。
また、やはり新型コロナ感染症拡大を発端とする世界的な半導体不足の影響でコンピュータやその他の電子機器類の納品時間が著しく遅れており、デスクトップ型のコンピュータの購入を見送った。代替案として2022年度に購入予定だったノートブック型コンピュータが購入可能だったので、2021年度にそちらを購入し当面の研究に活用するなどの対応を行なった。
これらの事情により、2021年度に予定していた研究予算からいくらかの残金が発生しているが、2022年度以降に利用する計画である。
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| 今後の研究の推進方策 |
変形カイラル微分作用素の代数の層とアフィンリー代数の表現論との関係を研究する上で重要な点のひとつは、変形カイラル微分作用素の代数の層から自然にアフィンリー代数の脇本加群が構成されることである。スクリーニング作用素は異なる最高ウェイトを持つ脇本加群の間のアフィンリー代数の作用と可換な作用素であり、その構成はアフィンリー代数の表現を研究する上で非常に重要な問題である。
今後の研究ではグラスマン多様体や射影空間の場合をはじめ、一般に変形カイラル微分作用素の代数の層から構成される脇本加群に対して幾何学的な背景を考察することによって、スクリーニング作用素を具体的な形で構成し、さらにそれをアフィンリー代数の表現論に応用することを研究する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大の影響で、今年度計画していた研究出張が計画通りに実施できなかった。また、新型コロナ感染症拡大を発端とする世界的な半導体不足の影響で、今年度計画していたデスクトップ型コンピュータの購入を次年度以降に実施することにし、それに代えて次年度に購入を計画していたノートブック型コンピュータを今年度購入して当面の研究にはそちらを使用するなどの対応を行なった。
今後、新型コロナ感染症に関する状況は落ち着いていくものと予想されるので、状況をみながら今年度実施を見送った研究出張や電子機器購入などを実施し、予算を使用する計画である。
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