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2021 年度 実施状況報告書

可換環論・数え上げ組合せ論・組合せトポロジーの間の相互関係の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03190
研究機関早稲田大学

研究代表者

村井 聡  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90570804)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードSpechtイデアル
研究実績の概要

本研究の目的は可換環論と組合せ論の間の相互関係を発展させることである。特に、現在知られている「(a) 可換環論における単項式イデアルの研究」、「(b) 凸多面体の数え上げ組合せ論」、「(c) 単体的複体の組合せトポロジー」、の間の相互関係を更に発展させることを目指している。
本年度は、Specht イデアルと呼ばれるイデアルの代数的性質に関する研究を中心行った。Specht イデアルは Specht 多項式と呼ばれる多項式から生成されるイデアルであるが、ヤング図形の組合せ論、部分空間配置の組合せ論、表現論などとも関連する代数・組合せ論の両方の面から興味がもたれているイデアルである。
具体的な研究成果として、Haiman と Woo によって発見された Specht イデアルがラディカルイデアルであること、および、そのグレブナー基底が組合せ論的な手法で簡単に計算できることの簡単な別証明を与えることに成功した。本研究成果は、既知の結果の別証明ではあるが、Specht イデアルに関する最も基本的な性質に初等的な証明を与えるものであり、今後の Specht イデアルの更なる研究における基礎理論の一つを与えるものになると考えている。
また、国際研究集会「MFO-RIMS Tandem Workshop Symmetries on polynomial ideals and varieties」(2021年9月開催)や研究集会「オンライン可換環論セミナー2021」(2021年7月開催)をオンライン形式で開催し、可換環論および、可換環論と関わる組合せ論の研究に関する情報交換の場を設けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナウイルスの影響により海外渡航などが出来ず、当初の研究目標であったvolume多項式に関する研究は若干遅れている一方で、Spechtイデアルと呼ばれる新しい研究対象に関する研究を発展させることができ、可換環論と組合せ論の間の相互関係を発展という面ではおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

2022年度は凸多面体の数え上げ組合せ論と可換環論の相互関係に関する研究により焦点を当てて研究を進める。具体的には、凸多面体の中にある格子点の数え上げ問題とそれに付随する環の代数的性質の研究を進めたい。多面体の格子点を数えるエルハート準多項式が多面体を平行移動するとどのように変化するかという問題に対して、代数・組合せ論の両面から研究を行い、平行移動とエルハート準多項式の間の関係に関する基礎理論を構築し、この問題における組合せ論と代数の関わりを明らかにすることを目指す。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの影響により国際研究集会・研究打合せの計画の多くが中止となったため次年度使用額が生じた。次年度使用額については延期になった国際研究集会へ参加するための経費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] An equivariant Hochster’s formula for Sn-invariant monomial ideals and its applications2021

    • 著者名/発表者名
      村井 聡
    • 学会等名
      第42回可換環論シンポジウム
  • [備考] 研究代表者webページ

    • URL

      http://www.f.waseda.jp/s-murai/

  • [学会・シンポジウム開催] MFO-RIMS Tandem Workshop Symmetries on polynomial ideals and varieties2021

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公開日: 2022-12-28  

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