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2021 年度 実施状況報告書

正標数のDedekind和とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K03192
研究機関岡山理科大学

研究代表者

浜畑 芳紀  岡山理科大学, 理学部, 教授 (90260645)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードDedekind和 / 関数体 / 保型形式 / 周期関数 / 相互法則
研究実績の概要

古典的Dedekind和の値は有理数であり、1977年にHickersonはこれらの値が実数体の中で稠密であることを証明した。2010年代にGirstmairとKohnenは、この結果の別証明を与えた。数論において研究されているp進体は実数体に似た性質を持ち、有理数はこれらの体の中で稠密である。このことからKohnenは、古典的Dedekind和の値はp進体の中で稠密か、という問題を提示した。2018年にGirstmairは、この問題を肯定的に解決した。
2010年代に研究代表者はBayadとの共同研究で、有限体上の1変数関数体においてDedekind和とその高次元化を定義して、相互法則を確立した。このDedekind和の値が関数体に値をとることも示した。関数体上のDedekind和が古典的Dedekind和に類似していることに注目して、研究代表者はHickersonの結果の類似、すなわち、関数体上のDedekind和の値が関数体の無限遠完備化の中で稠密であることを証明した。この結果は、オーストラリアで開催された国際会議で公表して、プロシーディングスに論文を発表した。この結果を踏まえ、関数体の場合で、Kohnenの問題の類似を研究した。古典的な場合のGirstmairの結果を参考にして、関数体上のDedekind和の値が関数体のP-進完備化の中で稠密であることを証明した。この結果をまとめた研究論文を学術雑誌に発表した。
古典的な場合で、一般化Dedekind和の空間と保型形式の空間との間に同型対応があることは福原真二によって証明されている。研究代表者は関数体の場合で類似の問題に取り組んでいる。これまでに関数体上の保型形式に対してDedekind和が定義できて、相互法則が成り立つことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、研究代表者の導入した関数体上のDedekind和と保型形式、ゼータ関数、コホモロジーとの関係研究して関数体の数論における基礎的な問題を解決することを目的としている。
昨年度の前半の研究成果によって、研究実施計画の一つが完全に達成できた。昨年度の後半の研究成果によって、研究実施計画の一部が達成できているから。

今後の研究の推進方策

関数体上のDedekind和と保型形式との関係については、昨年度と同様、古典的Dedekind和の既知の結果を参考にして研究していく。
関数体上のDedekind和とゼータ関数との関係について、古典的Dedekind和の既知の結果を参考にして研究していく。
数論の研究集会に参加して、保型形式やゼータ関数についての研究連絡を行い、本研究に関連する情報を収集する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は対面形式で予定されていた数論の研究集会がオンライン形式になったため、研究集会参加のために支出する旅費を使わなかった。今年度の数論の研究集会は、今のところ対面形式で開催される見込みであるので、研究集会に参加するための旅費として使用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] P-adic approximation of Dedekind sums in function fields2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Hamahata
    • 雑誌名

      Funct. Approx. Comment. Math.

      巻: 2 ページ: 199-210

    • DOI

      10.7169/facm/1961

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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