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2022 年度 実施状況報告書

コンウェイ群を利用した頂点作用素代数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03195
研究機関筑波大学

研究代表者

宮本 雅彦  筑波大学, 数理物質系(名誉教授), 名誉教授 (30125356)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードコンウエイ群 / 表現論 / 頂点作用素代数 / 軌道理論 / 自己同型群 / ムーンシャイン現象 / リーチ格子 / 深洞
研究実績の概要

本年度では、昨年度から継続していた台湾中央研究院の Lam Ching Hung 教授とネットによる共同研究だけではなく、台湾中央研究院に1か月ほど滞在し、その期間を通して、頂点作用素代数の自己同型および holomorphic 頂点作用素代数の分類に関する研究を行い、多くの進展を得た。特に、顕著な結果として、リーチ格子の自己同型群であるコンウエイ群を利用し、その中のある種の自己同型において、固定空間とそれへの射影による像との間にスカラー倍を持つ同相写像があることを見出だした。その応用として、N.Scheithauer-S.Moller が導入することで美し対応が存在することを示した、generalized deep holeと呼ばれるリーチ格子頂点作用素代数の自己同型の真の姿を見出すことに成功した。しかも、この結果により、それまで証明ができず、観察に過ぎなかった G.Hohn によるニイマイヤ格子の自己同型による固定空間と holomorphic 頂点作用素代数のウエイト1の空間が構成するリー代数のルート格子との関係を、この同相写像を通して明確に説明することに成功した。この結果は同時に、リーチ格子の自己同型群であるコンウエイ群の条件を満たす元とその自己同型で不変な deep hole により、すべての中心電荷24の非ムーンシャイン型 holomorphic 頂点作用素代数が一意的な方法で構成できることも示しており、古典的な格子理論においてConway-Sloanが示したHolly construction の自然な拡張が複雑な頂点作用素代数においても成り立っているということを示している。また、上記の研究を通して、一般の中心電荷においてもholomorphic頂点作用素代数の場合には、rationality が正定値不変内積を持つ事実だけからでも得られることも証明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナにより、海外の研究者との共同研究が1回を除いて対面で進めることができず、進捗がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

コロナも落ち着き、海外での研究集会等が開催されるようになったので、
それらを利用し、海外の共同研究者との議論をより進める。

次年度使用額が生じた理由

コロナで海外共同研究者との直接の議論が1回しかできず、次年度の6月にあるクロアチアでの研究集会まで最終議論を持ち越したため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Orbifold construction and Lorentzian construction of Leech lattice vertex operator algebra2022

    • 著者名/発表者名
      Naoki Chigira, Ching Hung Lam, Masahiko Miyamoto
    • 雑誌名

      Journal of Algebra

      巻: 593 ページ: 26-71

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Associatiivity of fusion proudcts of C1-cofinite N-gradable VOA modules2022

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Miyamoto
    • 学会等名
      Conference in Finite Groups and Vertex Algebra
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Leech lattice and holomorphic VOA2022

    • 著者名/発表者名
      宮本雅彦
    • 学会等名
      数理解析研究所研究集会「有限群論,代数的組合せ論,頂点代数の研究」
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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