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2023 年度 実施状況報告書

アデリック曲線上のアラケロフ幾何

研究課題

研究課題/領域番号 21K03203
研究機関中部大学

研究代表者

森脇 淳  中部大学, 人間力創成教育院, 教授 (70191062)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード代数幾何学 / アラケロフ幾何 / アデリック曲線
研究実績の概要

当初,アラケロフ幾何は代数体上で定義された代数多様体に限られた幾何学であったが,それをもっと広い体上に拡張しようという試みが①「Arakelov Geometry over adelic curves (450ページ)」であった.しかしながら,多くの基礎的定理(交差理論とヒルベルト・サミュエル公式等)が未開発であったので,それらを,さらに発展させる必要があった.これらの西湖大学の陳氏との共同研究の成果が,2つの本②「Arithmetic intersection theory over adelic curves (174ページ)」と③「Positivity in Arakelov geometry over adelic curves: Hilbert-Samuel formula and equidistribution theorem (186ページ)」である.②は,フランス数学会発行の「Memoires de la Soci\'et\'e Math\'ematique de France」から,③はスプリンガーから発行されている「Progress in Mathematics」から,出版されることが決定した.
2023年度はこれらの本の修正に費やした.例えば,②においては,体の拡大に伴う,Chambert-Loir 測度の変化が不明瞭であったが,それを修正した.それにより理論はより完全なものとなった.また,③においては,非アルキメデス的で連続的な計量の商計量が再び連続的かという基本的な命題に見落としがあり,それについて,補正を行ったが,上手くいかなかった.しかし,そのことを避ける方法を見つけ,全体として,問題はなくなった.元の問題は解決しておらず,今後の課題としたい.
さらなる課題は残っているが,これら3部作でアデリック曲線上のアラケロフ幾何はほぼ完成したと言える.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述の3部作①「Arakelov Geometry over adelic curves」,②「Arithmetic intersection theory over adelic curves」,③「Positivity in Arakelov geometry over adelic curves: Hilbert-Samuel formula and equidistribution theorem」が,不完全な部分が含まれるとは言え,完成した.これにより,アデリック曲線上のアラケロフ幾何の基礎はほぼ完成した.

今後の研究の推進方策

アデリック曲線上で定義された代数多様体における計量付ベクトル束の高次のチャーン類の定義は極めて重要な課題と考えている.まずはそれらを局所的に定義し,その可積性が分かればその積分により大域的な定義が可能となる.局所的な定義は,アルキメデス的な場合は,古典的であるが,非アルキメデス的な場合は,ジレ・スレによるものがあるが,現在的観点からは,不十分である.これらのことを考えて行きたい.結果として,アデリック曲線上でボゴモロフ不等式が完成できればと思う.

次年度使用額が生じた理由

大学を移動し,新しい大学では教育負担が増え,エフォートを教育に割いたため,研究時間が減少した.また,教育業務のため出張も多くはできなかった.そのため,次年度使用額が生じました.今年度は,休み期間に,研究打ち合わせの機会を増やし,予算を確実に使用できるように努めたい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Adelic structures of countable fields2023

    • 著者名/発表者名
      森脇 淳
    • 学会等名
      Luminy conference -- Global invariants of arithmetic varieties
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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