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2021 年度 実施状況報告書

非可換代数における不変式論と母函数論の連動

研究課題

研究課題/領域番号 21K03209
研究機関鹿児島大学

研究代表者

伊藤 稔  鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (60381141)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード行列式 / 超行列式 / 不変式論 / derangement
研究実績の概要

Glynnが導入した超行列式(hyperdeterminant)や行列式の冪について研究を進めた. 話題の中心となるのは, 指数が素数pを用いてp-1と表されるときの行列式の冪の展開公式である. これは超行列式と通常の行列式を結びつける等式でもあり, またAlon-Tarsi予想の特別な場合の解決を与えるという点でも興味深い. この関係式については, 以前に偏極作用素を用いた不変式論的な新証明を得たが, 今年度はこの証明を一般化することで超行列式の特徴づけが得られた. 非可換な側面は小さいが, 本研究課題の狙っている方針が良い形で現れている.
また, 岩政健太朗氏と共同で, 多重可移置換群におけるderangement(固定点を持たない置換)の割合について研究した. よく知られた事実として, 対称群においてderangementの割合は自然対数の底の逆数に近いということがある. この現象が実は多重可移置換群で一般になりたつことであるとわかった. つまりt重可移置換群に対してこの近似の精度をtで評価できるのである. 鋭多重可移置換群に対しては1993年のN. Bostonらによる論文でderangementの割合を計算する等式が与えられており, 今回の結果は証明まで含めてこれに似ている. しかし今回の結果は, 鋭多重可移とはかぎらないより広い置換群が対象であり, また上下からの評価という観点も新しい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

超行列式や行列式の冪について研究が進展している. 非可換な側面は小さいが, 本研究課題の狙っている方針が良い形で現れている. derengementについての研究もこれからの進展が期待できる.

今後の研究の推進方策

超行列式や行列式の冪についての研究を中心に進めたい.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響で, 出張を取りやめた. 2022年度は, 出張できることを期待している. また論文をオープンアクセス化する経費などにも使いたい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A condition for the existence of zero coefficients in the powers of the determinant polynomial2021

    • 著者名/発表者名
      Itoh Minoru, Shimoyoshi Jimpei
    • 雑誌名

      Journal of Algebra

      巻: 579 ページ: 231~236

    • DOI

      10.1016/j.jalgebra.2021.03.017

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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