研究実績の概要 |
1971年にJ. Lipmanによって提唱されて以来,1次元Cohen-Macaulay (以下C-Mと略す) 半局所環に限定されてきたArf環論を,一般次元の必ずしも半局所環ではなく,C-M環でもないNoether環に拡張し,展開しつつ,他分野への浸透を目指す。 次元1のC-M半局所環については,環のstrict closednessとArf性が同値であるという予想(O. Zariskiの予想)があり,1971年にはZariski自身とLipmanによって体を含む環について肯定的な解が得られていたが,本研究により50年ぶりに完全に一般的に正しいことが証明された。従って,Arf環の概念を適切に高次元に拡張しさへすれば,「高次元のArf環論」とでも呼ぶべき環構造論が期待可能となる。 令和3年度は,このプロセスの第一歩である弱Arf環論を展開し,得られた成果を下記論文にまとめた。 【発表論文】[1] E. Celikbas, O. Celikbas, C. Ciuperc\u{a}, N. Endo, S. Goto, R. Isobe, and N. Matsuoka, On the ubiquity of Arf rings, J. Comm. Alg. (to appear). [2] N. Endo and S. Goto, Construction of strictly closed rings, Proc Amer. Math. Soc., 150 (2022),119-129. [3] N. Endo, S. Goto, and R. Isobe, Topics on strict closure of rings, Res. Math. Sci., 8, vol. 55 (2021). [4] N. Endo, S. Goto, S.-i. Iai, and N. Matsuoka, On the weakly Arf (S_2)-ifications of Noetherian rings, arxiv.org/abs/2204.12132.
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