研究課題/領域番号 |
21K03225
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡邉 忠之 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70467447)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 擬アイソトピー / pseudo-isotopy / グラフ / 手術 / psc計量 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、3次元以上の多様体の擬アイソトピー(pseudo-isotopy)群のホモトピー群において、グラフクラスパー手術によって構成される元の性質について研究した。Boris Botvinnik氏(オレゴン大学)との共同研究では、3価のグラフクラスパー手術によって構成される4次元以上の円板のファイバー束が、それを一端とするhコボルディズムの族に拡張すること及びその上に円板の境界で標準的なpositive scalar curvature計量の族がとれることを示した。この結果の証明には、枠付き絡み目の族の変形と、族のGromov-Lawson構成(Botvinnik-Hanke-Schick-Walsh)が用いられた。また、太田勇士氏(島根大学)との共同研究に基づき、Poincareホモロジー球面の擬アイソトピーで、アイソトピーによって自明にならないものがたくさんあることを確認した。この結果の証明には、代表者が以前Kontsevichの配置空間積分の類似によって与えていた4次元多様体の微分同相の不変量が使われている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、微分同相群の最近の研究で使われている方法を理解すべく、集中的に勉強をする予定であったが、思うように進められなかった。次年度以降は対面での研究打合せの機会を増やし、加速したい。Botvinnik氏との共同研究を論文にまとめてarXivに発表できたり、3次元多様体の擬アイソトピーの研究も少しずつ前進しているので、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は対面での研究打合せの機会を増やし、最近の研究で使われているホモトピー論の方法を理解する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染流行のため、出張が中止となったため。
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