研究課題/領域番号 |
21K03226
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤森 祥一 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (00452706)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 極小曲面 / 極大曲面 / ワイエルシュトラス型表現公式 / 解析的延長 / 特異点 / 回転不変 |
研究実績の概要 |
ワイエルシュトラス型表現公式をもつ曲面、特に3次元ユークリッド空間の極小曲面および3次元ミンコフスキー空間の極大曲面の微分幾何学的性質に関する研究及びそれらに関連する研究を行った。具体的には以下の3つの研究を行った。 Peter Connor氏 (インディアナ大学)との共同研究で、3次元ユークリッド空間の周期的極小曲面の族の構成に関する研究を行なった。ある3重周期的極小曲面の2径数族を構成し、その極限として2種類の2重周期的極小曲面の1径数族が得られることを考察し、さらにこの2種類の2重周期的極小曲面の族の極限として、1種類の単周期的な極小曲面が得られることを考察した。現時点では数値計算を用いてこれらの曲面の存在を確認しているが、Traizet氏らが開発した方法を用いてこれらの曲面の存在を数学的に証明できるか検討中である。 川上裕氏(金沢大学)、國分雅敏氏(東京電機大学)、Wayne Rossman氏(神戸大学)、梅原雅顕氏(東京工業大学)、山田光太郎氏(東京工業大学)、Seong-Deog Yang氏 (高麗大学校)との共同研究で、曲面の解析的延長に関する研究を行った。特に弧状固有写像と解析的完備性に関する性質について議論を行った。本研究は現在も研究中である。 川上裕氏(金沢大学)、國分雅敏氏(東京電機大学) との共同研究で、ガウス曲率が回転不変となる曲面の研究を行った。エネパー曲面は回転面ではないが計量 (第1基本形式) が回転不変である。このように計量が回転不変な曲面は回転面の一般化と捉えることができる。これをさらに一般化して、ガウス曲率が回転不変な曲面について考察した (計量が回転不変ならばガウス曲率も回転不変であるが、逆は一般に成り立たない)。いくつかの仮定のもとでこのような曲面の分類に成功したので、論文を執筆した。この論文は現在投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
周期的極小曲面の研究に関しては、計算機を援用することで多くの新しい例を考察できたが、数学的な証明を得るためにはTraizet氏らによる理論を応用する必要があると思われる。彼らの理論は実解析的な理論の他に組合せ論なども用いており非常に難解で、我々の曲面の存在を証明するためにはまだ時間がかかると思われる。 曲面の解析的延長に関しては、理論が徐々に整備されてきており、研究は順調に進展している。 ガウス曲率が回転不変な曲面に関しては、ある種の条件のもとではあるが、既に論文を投稿することができたので、研究は当初の計画以上に進展している。 以上のことを総合的に判断すると、研究は概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
周期的極小曲面の研究に関しては、様々は実験等を通してTraizet氏らによる理論を深く理解し、我々の例に適用することを試みる。そのためにPeter Connor氏のいるインディアナ大学に出張し、直接会って議論を行う予定である。 曲面の解析的延長に関する研究については、理論をさらに整備して論文の完成を目指す。理論が大掛かりになるとともに、論文も長くなってきているので、論文に齟齬がないか入念に確認する。そのために共同研究者がいる東京、金沢、神戸、韓国に出張し、直接会って議論を行う予定である。 ガウス曲率が回転不変な曲面に関しては、今回論文執筆のためにつけた条件を外した場合について考察を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
学内業務の日程の影響でいくつかの出張をキャンセルせざるを得なかったため。 2024年度は当初の計画より多くの出張が見込まれるため、出張旅費として使用する予定である。
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