Wを集合とし、eをW上の同値関係とする。X=W/eを同値類集合とする。Yを集合とし、fをXからYへの写像とする。fはWの同値関係eに関する不変量と呼ばれる。例えばWが位相空間の集合、eを同相とすればfは位相不変量、Wを結び目の集合、eを全同位とすればfは結び目不変量である。さらにZを集合とし、gをXからZへの写像とする。このとき、f×gを、XからY×Zへの写像でXの元xをY×Zの元(f(x)、g(x))に写すものと定義する。このとき、不変量fと不変量gの間の関係を、Y×Zの部分集合(f×g)(X)と定義する。 この定義のもので、不変量fと不変量gの間の関係を決定しようという研究は、今まで明示的、意識的になされたことはなかったように思われる。本研究では、fやgとして、結び目の最小交点数・結び目解消数・橋指数・組紐指数・種数・標準種数を考え、これらの間の関係を考察または決定した。 Jを結び目全体の集合とし、eを全同位とすれば、K=J/eは結び目型全体の集合となる。Zを整数全体の集合とし、cを結び目の最小交点数、uを結び目の結び目解消数とする。本研究の一例としてcとuの間の関係(c×u)(K)について述べる。(c×u)(K)は、(0、0)と正の整数の組(x、y)で2xはy-1以下であるもの全ての和集合となる。(0、0)=(c×u)(自明結び目型)であり、(6、2)=(c×u)(スクエア結び目型)=(c×u)(グラニー結び目型)である。これ以外の(c×u)(K)の元は全て素な結び目型の像となる。
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