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2021 年度 実施状況報告書

量子散乱のダイナミクスと逆問題の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03279
研究機関東京理科大学

研究代表者

石田 敦英  東京理科大学, 教養教育研究院葛飾キャンパス教養部, 准教授 (30706817)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード分数階シュレディンガー型作用素 / 低速度伝播不等式 / 非局所型シュレディンガー作用素 / ムールの不等式
研究実績の概要

・質量を持つ相対論的シュレディンガー作用素を一般化した分数階シュレディンガー型作用素についての、低速度伝播不等式について、京都大学数理解析研究所で開催された「RIMS共同研究(グループ型)時間依存するハミルトニアンに対する散乱理論および超局所解析の新展開」にて1時間4回の招待講演を実施した。当論文はarXivにて公開済みであるが、現在細かな修正を行っており、修正後に国際誌への投稿を予定している。
・分数階シュレディンガー型作用素をさらに一般化した非局所型シュレディンガー作用素についてのムールの不等式の結果について、ケンブリッジ大学アイザックニュートン数理科学研究所にて2022年1月から4月にかけて開催された「Fractional differential equations (FDE2)」に3回の招聘を受けたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により渡航はすべてキャンセルとなった(2022年度の4月に渡航と講演が実現した)。ムールの不等式は正の固有値の離散性および多重度有限性の証明に直ちに応用される。本研究は2022年1月に採択された「国際共同研究加速基金(国際共同研究強化A)」へ引き継がれ、更なる進展を計画している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分数階シュレディンガー型作用素の低速度伝播不等式の研究が順調に進展している。また非局所型シュレディンガー作用素の固有値の考察を下に、本研究課題を基課題として「国際共同研究加速基金(国際共同研究強化A)」に採択され、今後の研究の進展に大きく寄与することが見込まれる。以上からおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

・分数階ラプラシアンに対して、相互作用ポテンシャルの一意性を決定する逆問題の研究を進める。空間遠方での減衰が速い短距離型ポテンシャルの一意性については2020年に解決されているが、空間遠方の減衰が緩やかな長距離型ポテンシャルの一意性は未解決である。
・2次の斥力項を持つシュレディンガー作用素についての散乱現象の解析は、以前から扱ってきた研究対象であるが、2次ではなく0より大きく2以下の一般次数の場合も考察したい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染拡大のため、計画していたすべての国内・国外出張を実施することが叶わず、ほとんどの経費を執行していない。研究活動はオンラインを利用して進めてきたが、それでも他の研究者と面と向き合っての議論と討論ができなかった影響は大きい。次年度以降は状況改善の兆しもあり、積極的に国内外へ赴き研究活動を加速していきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] On the inverse scattering in Stark effect2021

    • 著者名/発表者名
      Atsuhide ISHIDA
    • 雑誌名

      京都大学数理解析研究所講究録「スペクトル・散乱理論とその周辺」

      巻: 2200 ページ: 77--83

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 時間依存ポテンシャルを持つ分数階シュレディンガー型作用素の低速度伝播不等式についてI-IV2021

    • 著者名/発表者名
      石田敦英
    • 学会等名
      RIMS共同研究(グループ型)時間依存するハミルトニアンに対する散乱理論および超局所解析の新展開

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公開日: 2022-12-28  

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