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2023 年度 実施状況報告書

リーマン面間の正則写像の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03287
研究機関東京工業大学

研究代表者

田辺 正晴  東京工業大学, 理学院, 講師 (60272663)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード複素解析 / リーマン面
研究実績の概要

コンパクトリーマン面間の正則写像の剛性に関する緒性質を,ヤコビ多様体間の準同型の言葉で表現し,それら定理の結びつきについて,新しい視点を提供することを目指して研究を進めた.特に,種数2以上のコンパクトリーマン面間の正則写像について,ホモロジー群間に誘導される準同型による表現の研究を行った.
「種数2以上のコンパクトリーマン面X, Y間の正則写像の位数が素数であるとき,ホモロジー群間に誘導される準同型による表現は,X, Yで標準ホモロジー基底をうまく取れば,いくつかの行列表現のうちどちらかになる.」ことがH.H. Martensにより示されている.X, Yで標準ホモロジー基底をうまく取り,限られた行列表現(normal formと呼ばれる)に帰着させるという問題は,もともとはリーマン面の周期行列のreductionに関するポアンカレの研究から派生したものである.その後の研究でH.H. Martensの上の結果,normal formの数は2つの表現行列であることが示せていた.これを発展させて,結局正則写像の位数が素数であるときは,「標準ホモロジー基底をうまく取ればの」部分は正則自己同型であり,正則写像の数は,normal formの数2つに,X,Yの正則自己同型の数を掛けたもの以下であると予想し,証明を考えてきた.結果としては,まだ成功していない.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

この問題に関して,これまでに知られている手法は全て試したように思うが,それでも特には進展が得られなかった.全く別の切り口,手法を思いつくことが必要であると感じている.

今後の研究の推進方策

種数2以上のコンパクトリーマン面間の正則写像について,位数が素数とは限らない場合のホモロジー表現についても考えてみる.また,コンパクトな面に限らず,ノード付きリーマン面もこの問題での研究対象とすることも考える.ノード付きリーマン面に関しては,上記のnormal formの様な研究は見当たらないので,研究対象として十分価値あるものと思われる.

次年度使用額が生じた理由

5月のコロナ5類指定以前は,出張を控えていた.それ以後も,研究が思う様に進展しないこともあり,出張は国内1回のみに留まった.これからは,内外の研究者との交流を深め,問題解決の手がかりを得るために,海外への出張も視野に入れて,出張費用に多くを割く予定である.

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公開日: 2024-12-25  

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