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2022 年度 実施状況報告書

気体星と地球大気の運動方程式における重力と回転下の真空境界の数学的構造

研究課題

研究課題/領域番号 21K03311
研究機関山口大学

研究代表者

牧野 哲  山口大学, その他部局等, 名誉教授 (00131376)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード気体星の内部構造 / 惑星大気の構造と運動 / 回転星 / Euler-Poisson方程式 / 惑星波動の安定性
研究実績の概要

本研究の目的は気体星の流体力学的な内部構造および惑星大気の流体力学的運動に関して、特に重力により生じる真空境界と回転による効果に着目して、その数学的に厳密な解析を行うことであった。
そのため第2年度の令和4(2022)年度においては固体の球体の外部において気体が中心球の重力下で運動する場合の研究を続行した。一様回転する定常解を背景とした摂動の運動の線型解析について一定の結果を得ることができ、プレプリントを公開し(arXiv:2206.06532)、また学会、研究集会で講演して、批判を徴しているところである。
さらに、この解の微分可能性についての理論を確立することを試みた。さしあたり自由境界が真空境界である場合の係数の特異性に起因する困難を回避して圧力一定の自由境界問題での解の微分可能性について研究した。楕円型でない微分作用素の波動方程式の解のエネルギー評価を未知関数のrotationを活用して導くという手法を駆使して、一定の結果を得た。これは斬新な意義があると思われるが、境界条件の物理的意味についてさらに検討する余地があるので結果の公表には至っていない。
また、気象学において先行する大気運動についての研究結果、理論の数学的に厳密な読み替え、経験的に採用されている近似の数学的な正当化の試みは続行した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

惑星大気の運動について一様回転定常解を背景とする摂動の解析から着手したが、線型解析において基本的な結果を得ることができた。さらに解のなめらかさについての研究についても着実に進捗しており、これにより、さらに真空境界の場合の解析、非線型問題の解析へと進む足がかりが得られた。
したがって、研究はおおむね順調に進捗しているといえる。

今後の研究の推進方策

惑星大気の運動について一様回転定常解を背景とする摂動の解析について、さらに真空境界の扱い、回転にともなうコリオリ項の扱いの研究、非線型問題の解析の研究を推進するため、国内外の研究者との対面、非対面の交流を大いに行うことによって、問題解決のヒントを得たい。とくに、粘性流体、非圧縮性流体の数学的研究には豊富な蓄積があるので、それらの研究手法を学びたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 回転する地球大気の運動方程式2022

    • 著者名/発表者名
      牧野 哲
    • 学会等名
      日本数学会2022年度秋季総合分科会

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公開日: 2023-12-25  

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