研究課題
基盤研究(C)
気体星や惑星大気の流体力学的運動の数学的モデルは重力下の圧縮性オイラー方程式で与えられるが、その数学的に厳密な解析には、重力と圧力の拮抗により生じる真空との自由境界が現れるので、従来の研究では扱わなかった困難がある。本研究では、軸対称な定常解からの微小なずれを支配する(線型近似した)発展方程式を研究し、初期値問題の解の存在、発展方程式の生成作用素のスペクトル的な性質、解の安定性などについて成果を得ることができた。
数学
この研究成果は、宇宙物理学、天文学などの自然科学と数学的理論の融合という学術的意義があり、単に数学的正当化ないし論理的確証を提供するのみならず、新たな論点の提起にもつながる。また、このような数学的理論研究は数値シミュレーション、人工知能による探索と総合されることによって科学技術の堅実な発展を推進するという社会的意義もある。