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2021 年度 実施状況報告書

非線形分散波動方程式の孤立波の安定性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03315
研究機関東京理科大学

研究代表者

太田 雅人  東京理科大学, 理学部第一部数学科, 教授 (00291394)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード非線形分散波動方程式 / 非線形シュレディンガー方程式 / 孤立波 / 安定性
研究実績の概要

研究の目的は、非線形シュレディンガー方程式や非線形クライン・ゴルドン方程式など非線形分散波動方程式の孤立波解の安定性に関する研究を推進することである。特に、パラメータによって孤立波解の安定性と不安定性が変わる臨界的な状況を考察し、非線形分散波動方程式の孤立波解のまわりの解の大域挙動の解明を目指している。
2021年度は、空間1次元において引力的なデルタ関数ポテンシャルと5次の非線形相互作用および斥力的な3次の非線形相互作用をもつ非線形シュレディンガー方程式の定在波解の安定性について考察した。空間1次元において5次の非線形項は質量 (L^2) の意味で臨界的である。劣臨界的な摂動項である引力的なデルタ関数ポテンシャルと斥力的な3次の非線形項を導入することにより、この臨界的状況は壊れるが、両者が釣り合ったとき、別の新たな臨界的状況が生じる。
質量 (L^2ノルム) が臨界質量よりも真に小さい場合、考察している方程式の定在波解はすべて安定であると予想されるが、これまでは2種類の定在波解があり、それぞれの場合に応じて別の証明方法が必要であると考えていた。具体的には、大きな定在波解に対しては変分的手法が有効であり、小さい定在波解に対しては線形化作用素のスペクトル解析が必要であると考えていた。しかし、以前とは別の定式化を考えることにより、より簡潔な変分的方法により、統一的に定在波解の安定性を証明することができることが分かった。今後は、今回の変分的方法が臨界質量をもつ定在波解の不安定性の証明にも有効であるかどうか検討していきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨界質量よりも小さい質量をもつ定在波解の安定性を統一的な観点から証明することができるようになった。これにより、次の目標である、臨界質量をもつ定在波解の不安定性についての研究につながる可能性があるため。

今後の研究の推進方策

引き続き、空間1次元における引力的なデルタ関数ポテンシャルと5次の非線形相互作用および斥力的な3次の非線形相互作用をもつ非線形シュレディンガー方程式の定在波解の安定性について研究を推進する。具体的には、臨界質量をもつ定在波解の不安定性に関して、まず、軌道不安定性を証明することを目標とし、その後、臨界質量よりも大きい質量をもつ定在波解も含めて、強い意味での不安定性について考察したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響により、出張する機会が大幅に制限されたため、旅費の支出がなかった。2022年度は新型コロナウイルス感染症の対策が進み、対面での研究集会が開催される機会が増えると思われるので、ほぼ計画通りに旅費の支出があると考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] デルタ関数を伴う非線形シュレディンガー方程式の定在波2022

    • 著者名/発表者名
      太田雅人
    • 学会等名
      NLPDE Spring セミナー(京都大学)
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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