研究課題
基盤研究(C)
和算(江戸時代に日本で独自に発展した数学)で取り上げられた問題の中から、幾何学の計算問題を対象として、現代的な消去計算アルゴリズムとの関連を研究した。その結果、「円に内接する多角形における各種の量(面積・半径・面積と半径の積)がみたす方程式」をいくつか具体的に導くことに成功した。これらの中には、「世界で他に誰も持っていない公式」も含まれ、きわめて独自性の高い研究成果である。
情報科学
従来、和算研究は数学史研究の一分野に位置づけられ、未発見資料の探索や文献解釈を基本として行われてきた。これに対して本研究は、数学史研究に情報科学の手法を取り入れ、デジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)の視点から和算を取り上げたものである。さらに、実際に開発された計算手法は、現代の数式処理研究としても有効であり、新たな学際的研究分野を開拓した点に、本研究の学術的・社会的意義があると考える。