研究課題/領域番号 |
21K03342
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
山下 登茂紀 近畿大学, 理工学部, 教授 (10410458)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | グラフ理論 |
研究実績の概要 |
(1) 8月に成蹊大学で開催された「Japanese Conference on Combinatorics and its Applications 2022 離散数学とその応用研究集会 2022」での斎藤氏(日本大学)の講演「Relative length of long paths and cycles in triangle-free graphs」および,Nikoghosyan氏が11月にarXivで発表した論文「A Note on Large Cycles in Graphs Around Conjectures of Bondy and Jung」はどちらも「最長閉路と最長道の関係」に関する内容であった.斎藤氏とは3月にRIMS(京都大学数理解析研究所)で,その証明について話し合った.また,Nikoghosyan氏とはその論文に掲載されていた予想に関してメールで意見交換を行った.そして,これら2つの結果を踏まえて関連する内容を調査し,執筆中のサーヴェイ論文を拡充させた. (2) 2月に慶應義塾大学で開催された第19回組合せ論若手研究集会に参加し,千葉氏(熊本大学)と津垣氏(東京理科大学)との共同研究の結果を「指定された部分グラフを通過する閉路について」というタイトルで講演を行った.この結果については,3月の日本数学会のときに斎藤氏(日本大学)と,3月の熊本大学出張の際に千葉氏(熊本大学),太田氏(慶應義塾大学),古谷氏(北里大学)と,議論した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 本研究の目的として,閉路に関するサーヴェイ論文の作成がある.八島氏と津垣氏との共同研究に伴い,2部グラフに関するこれらの結果を中心に調査を行い,サーヴェイ論文の内容を拡充させた.さらに,太田氏と千葉氏との共同研究に伴い,サーヴェイ論文の「閉路の長さの分布」に関する章の内容を拡充させた. (2) 2008年に藤沢氏(慶應義塾大学)との共同研究において得られた,指定された頂点と辺を通る長い閉路が存在するための次数和条件に関する予想が未解決のままである.
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今後の研究の推進方策 |
千葉氏が所属する熊本大学に,津垣氏とともに出張し,Veldman予想の一般化となる予想の解決を図る.八島氏が所属する成蹊大学に出張して,2部グラフにおけるマッチングを通るハミルトン閉路が存在するためのFan型次数和条件の研究を推し進める.これらの研究を踏まえて,サーヴェイ論文の内容の拡充を図る.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 研究協力者である千葉氏が所属する熊本大学または八島氏が所属する成蹊大学に数回出張をする予定にしていたが,コロナのため出張が出来なかった. (使用計画) 熊本大学および成蹊大学に出張して,共同研究を推し進める.慶應義塾大学で開催されている「組合せ論セミナー」にも積極的に参加する.謝金を払って,1000を越える参考文献の整理,および200ページを越える論文の論文内容の精査およびタイプミスなどのチェックをお願いしようと考えている.近畿大学に所蔵されていない雑誌に掲載されている論文を文献複写で収集して,サーヴェイ論文の内容の更なる拡充を行う.
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