グラフの空間埋込から得られる情報で、格子の生成系を与える。そこに最小固有値を関連付けることで、(最小固有値が-n以上のグラフから得られる)n-格子の概念が生まれる。本研究では、最小固有値が-3以上のグラフから得られる3-格子と呼ばれる特殊な構造に関する未解決問題に取り組むものである。 この問題は、グラフ理論における基礎的な概念である固有値(特に最小固有値)と、複雑な構造を持つ3-格子(Root格子の一般化)を結びつけるもので、その関連性を解明することは、グラフ理論、格子理論、符号理論の発展に大きく貢献すると考えられる。 その後の研究は困難を極めた。通常3-格子はRoot格子よりも複雑な構造をしており、解析は困難を極め、Root格子の研究で見られるような分類問題は困難と考えられる。既存の手法では限界があり、先行研究が少ないこの問題に対して、独自の視点からアプローチを試みる必要があると感じる。具体的には、ある3-格子の構造に注目し、詳細分析を試みたところ、あるデザインが関与していることを突き止めることができた。 そのデザインについては、デザイン理論の観点から様々な研究成果がでており、そこに記述されている手法などの調査・利用を行うことで、さらなる詳細分析を試みた。デザイン理論による格子の研究はあるものの、その内容は3-格子よりももっと抽象的な内容であり、条件を絞った3-格子の解明には成果としてものたりないものとなる。それ故に独自の視点からアプローチが必要だと考えられる。 それ故に、これまでいくつかの重要な補題を発見したものの、目をつけている3-格子の構造の説明には、まだ大きな課題がいくつか残ったままであり、解明には至っていない。
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