研究課題/領域番号 |
21K03345
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研究機関 | 都城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
向江 頼士 都城工業高等専門学校, 一般科目理科, 准教授 (50645372)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | グラフ理論 / 閉曲面 / 辺極大 / 三角形分割 |
研究実績の概要 |
本研究は,曲面上に埋め込み可能な抽象グラフ,曲面上の(辺の追加に関して)辺極大なグラフ,曲面上の三角形分割について位相幾何学的な観点から違いを解明するため,それぞれのグラフの族の構造の特徴付けを目的とする. 本年度は研究計画書通り,再埋蔵理論に関する文献収集を行なった.文献収集を行い議論を進めることにより,これまでよく知られた閉曲面上の三角形分割における辺の縮約操作が,閉曲面上の辺極大なグラフにおいても定義可能であり,その縮約操作により辺極大なグラフを有限個の極小なグラフまたはクラスに還元できる可能性があることがわかった.上記の議論は三角形分割で起こる現象を,辺極大なグラフまで拡張可能であることを示唆している一方で,辺極大なグラフの極小なグラフ(クラス)は,三角形分割の既約三角形と深い関係があることがわかり,今後の研究方針が具体的に定まった. さらに,本研究テーマであるグラフの幾何的極大性の議論を生かすことにより,射影平面的グラフの林分解に関する研究結果が得られた.この結果は学術雑誌Discrete Mathematicsに2022年4月に掲載決定されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要でも書かれている通り,本研究テーマであるグラフの幾何的極大性の議論を生かし,射影平面上の林分解に関する研究結果が得られた.さらに,国内の共同研究者たちと議論を進めることができた.したがって,本研究は「おおむね順調に進展している」と判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
初年度,幾何的極大性に着目し,林分解に関する研究結果が得られた.今後は,三角形分割でない曲面上の辺極大なグラフについて,何らかの特徴づけを行う.さらに,三角形分割の性質や現象が曲面上の辺極大なグラフへ拡張可能か検討を行う.そのうち(1)縮約操作の拡張可能性(2)極小なグラフの分類(3)辺極大なグラフの再埋蔵構造の3つのテーマについて重点的に研究を行いたい.研究体制について,これまでと同様にビデオ通話によって議論を進める.ただし,感染状況が改善されれば,国内の研究集会や国際会議に出席し,情報収集を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた出張が中止となった.その代わり,ビデオ通話で研究活動を充実させるためにいくつかの機器を購入した.今後も遠隔システムにおける研究活動の環境を充実させるため機器の購入を予定している.
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