研究実績の概要 |
研究代表者と研究分担者は2週間から1ヶ月に一度の頻度でオンラインによる研究打ち合わせを行い、主に以下1),2)についての考察を行った。1)先行研究の再現実験で見られた現象から粒子流の数理モデルに対して導出過程の見直しを行った。粒子流モデルは非斉次項を持つ保存則系(balance laws)である。これは、例えば 動摩擦力が臨界を超えると発生する雪崩のような現象に対しても対応できるためである。しかし、摩擦の影響を考慮しなくても良いような粒子流については斉次の保存則系となるため、このような場合においては、現時点で提唱されているbalance laws よりも簡略化することができ、さらに既存の結果を踏襲できる可能性も広がるため、現象の場面ごとの状況に応じた数理モデルの再定式化を行った。2)1)に関連して、斜面の壁面効果を取り入れた場合の考察も行っている。研究代表者と研究分担者は、平滑な斜面を流下する懸濁液については、壁面効果を取り入れた場合についての考察を行い、粒子の粒径と懸濁液の挙動についての関係を調べた。その結果を粒子流の数理モデルに応用して、粒子の粒径による弓型衝撃波のプロファイルとの関係性を探る。3)引き続きbalance lawsの数学解析手法についての情報収集を行っている。ICIAMやAlgoritmy2024の国際会議に参加し、balance lawsに関する数学解析や数値解析手法に関連した先行研究や参考文献等の情報収集を行い、問題解決の糸口見つけた。4)昨年度までに得られた成果についての研究成果報告を行った。また、昨年度までの成果をまとめて論文に投稿準備中である。
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