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2023 年度 実施状況報告書

隠れた対称性に基づく有効理論の構築と強相関量子流体への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K03384
研究機関東京工業大学

研究代表者

西田 祐介  東京工業大学, 理学院, 准教授 (80704288)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードフェッシュバッハ共鳴 / 光ピンセット / 光格子 / 低次元系
研究実績の概要

本年度は国内外の実験グループと共同で、主に以下の2つの研究を実施した。
まず、英国バーミンガム大学の実験グループと協力し、光ピンセットで捕捉した単一のカリウム原子をルビジウム原子から成る量子気体中に埋め込んだ系を実現した。カリウム原子とルビジウム原子の間のs波散乱長を外部磁場によって変えながらカリウム原子の残数を測定することで、閉じ込め誘起のフェッシュバッハ共鳴を複数観測した。特に、擬1次元に閉じ込められたカリウム原子と3次元的なルビジウム原子の散乱を記述する理論を構築し実験結果と比較することで、p波のフェッシュバッハ共鳴も誘起されていることを明らかにした。s波散乱長を外部磁場によって変えることでp波の相互作用を制御できることは大変に意義深く、様々な量子不純物問題を冷却原子を用いて実現できる可能性を切り開くものである。
また、京都大学の実験グループと協力し、イッテルビウム原子を光格子に閉じ込め、各格子サイトが少数のイッテルビウム原子によって占有された系を実現した。イッテルビウム原子の基底状態と励起状態の間のs波散乱長を外部磁場によって変えながら励起エネルギーを高精度で測定することで、光格子に閉じ込めた擬0次元系における有効的な3体力と4体力の存在を定量的に明らかにした。特に、実験結果を理論的な摂動計算と比較することで、強結合領域においては両者が一致しないことを確認した。本研究で実現した系は、強結合の量子少数問題に対する様々な理論的手法を高精度でテストするための理想的な系となることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は学内業務などもあり、独自の研究を発展させられなかったため。

今後の研究の推進方策

昨年度までの研究によって得られた成果をさらに発展させるとともに、研究課題である「隠れた対称性に基づく有効理論の構築と強相関量子流体への応用」を推進し、さらには両者を融合させた研究の展開を目指す。

次年度使用額が生じた理由

本年度は学内業務などのため、昨年度からの繰越額を使った出張までは行えなかった。これまでの研究によって得られた成果を積極的に発表するため、未使用額は次年度以降に主に学会発表のための旅費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [国際共同研究] バーミンガム大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      バーミンガム大学
  • [学会発表] Chiral effects in Weyl semimetals2023

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Nishida
    • 学会等名
      KiPAS International Workshop “From particle physics to supernovae and early Universe”
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Three-body force and beyond in low-dimensional ultracold atoms2023

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Nishida
    • 学会等名
      6th Joint Meeting of the APS Division of Nuclear Physics and the Physical Society of Japan
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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