一次元ボーズ・アインシュタイン凝縮制御理論のための「多要素結合系における間接的制御に関して、前年に続いて、多電子系の運動のパラメータで制御、そして外場による攪拌による制御について研究した。 二次元格上を移動する二種のエージェントからなる系におけるエージェント達の自己集結そして他エージェント排除のメカニズムの両方を考えて、集結および排除の閾値という2つのパラメータを変化させた上で、各種の異なったエージェントの初期配置からの発展を調べた。2つの制御パラメータの値を変えることで様相が異なった興味深い集結構造が見られ各種層転移が見られた。具体的には (1)排除パラメータが無効で、実質的に集結パラメータのみがある極限で、集結パラメータが小さい場合有限サイズ効果による擬似的な1次相転移が見られ、集結パラメータの大きい場合に(真の)2次相転移が見られた。 (2)集結パラメータが無効で、実質的に排除パラメータのみがある極限で、排除パラメータが小さい場合には相転移がなく、排除パラメータが臨界的閾値を超え流領域で安定状態のない激しい騒擾的状態が続くことを発見した。 この系は(2)の極限で経済学において知られている「トーマス・シェイングの人種隔離モデル」と関係が深いことがわかり、そこでの臨界値の発見は、シェリング・モデルを拡張して、人種隔離と同じメカニズムのもとパラメータ次第で人種暴動が起こるモデルを得たことに相当する。この意外な物理学モデルと経済学も得るのこの意外な関係の発見は特筆に値する。
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