相互作用のあるフェルミオン系は、物性物理学における代表的な研究対象である。本研究により、この系に対して乱れが与える影響が明らかになったことにより、実験において測定に用いた試料が高純度ではなく、不純物を含むものであった場合に、測定結果を解析する際、純粋なバルク資料としての性質と不純物に由来する効果を区別できるようになる。また乱れのある系とその有効場の理論が明らかになったことにより、格子模型を場の量子論で記述するという基礎物理学の研究において汎用性の高い手法について、新たな知見が得られた。さらに不純物濃度を調節する技術が確立すれば、それによって物質の性質を制御することが可能になると期待される。
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