研究課題/領域番号 |
21K03413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
明楽 浩史 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20184129)
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研究分担者 |
江上 喜幸 北海道大学, 工学研究院, 助教 (20397631)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スピントロニクス / 原子鎖 |
研究成果の概要 |
空間反転対称性が破れている系に電流を流すことでスピン角運動量の偏りが生じ(電流誘起スピン偏極)、空間反転対称性が特定の原子の周りで局所的に破れている系ではその原子に電流誘起スピン偏極が生じる。本研究では、原子を螺旋に沿って並べた螺旋状原子鎖を基本系として取り上げ、各原子に生じる電流誘起スピン偏極が螺旋の局所的な曲率と捩率に強く依存することを示した。さらにこの螺旋状原子鎖において、スピン角運動量の向きが電子の運動の向きによって決まるスピン・速度ロッキングが生じることを見出した。このロッキングによりスピン偏極度が高い電流が十分低温で実現される。
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自由記述の分野 |
物性理論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、基本系としての螺旋状原子鎖を対象に、系の空間反転対称性の破れの度合いを表す曲率・捩率と電流誘起スピン偏極との間の関係を解明したという物理学上の意義をもつとともに、電流誘起スピン偏極と電流のスピン偏極度という特性を向上させるための指針として工学的意義をもつ。電流誘起スピン偏極から取り出されるスピン流やスピン偏極電流はスピントロニクスにおいて磁化反転に用いられているので社会的にも波及効果が期待できる。
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