本研究は1mK程度の超低温で実現する超流動ヘリウム3の表面状態の性質を明らかにすることを目的としている。その目的のため、測定セルの作成、および核断熱消磁冷凍機の修繕を行い、実験を行った。 測定セルはピンホールが開いている黒体輻射体を回転させる機構を持ち、それにより表面に様々な角度で準粒子を打ち込む構造になっている。このセルを核断熱消磁冷凍機に搭載し、100mK以下の極低温度で動作させたところ、発熱などの問題はなく動作した。また、測定セル内の液体ヘリウムは黒体輻射体の内外ともに0.3mK程度の超低温まで冷却でき、ヒーターを作動させることで内外の温度差を生じさせ、準粒子を発射させることができた。
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