研究課題
昨年度までの研究で、ルビーレーザの発振は達成された。これらの実験では、端面が誘電体ミラーで直接コーティングされた厚さ7 mm のルビー結晶を、逆端面から外部凹面鏡M2で半共焦点キャビティを形成させた。その結果入力スポット70μmとなった結果、周期的および準周期的なスパイク振動する強度のレーザー光が観察された。本研究では、自己光混合計測を用いた計測手法が必要で、この計測にはルビーレーザー光を連続発振させる必要がある。そこで、最終年度である本年度は、ルビーレーザーの連続発振を実現することで、自己光混合計測を達成させた。実験では、厚さ5mm、直径10 mm、Cr濃度0.05wt%、c 軸が結晶軸に対して60°のルビー単結晶を用いて、レーザー光源を作製した。ルビー結晶の両端の表面に誘電体ミラーM1(532nmでの透過率:95%、694nmでの反射率:R1=99.8%)とM2(694nmでの反射率:R2=99%)をそれぞれ直接コーティングした。LD 励起直線偏光を焦点距離100 mmの平凸レンズを使用してルビー結晶上に集光したところ、ルビーレーザの連続発振を達成した。このレーザを基盤として、自己光混合計測システムの構築が達成できた。構築されたルビーレーザの蛍光寿命が3.4 ms、光子寿命時間が163 ps と得られた。自己光混合計測における測定感度は、蛍光と光子寿命の比で決定されるが、構築されたルビーレーザではK =2.09×10の7乗となった。これまでの報告されているK値は、10の5乗程度の数値であり、従来技術の10倍乗の高光感度化が達成できた。昨年度構築した流路電極を用いて、最終目標であるコロイド粒子の交流電気泳動の実時間測定を実施した。測定系の高感度化によって、明瞭なスペクトルが得られた。取得したデータから、非線形応答関数の分子機構が検討できた。
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