研究課題/領域番号 |
21K03503
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
實方 真臣 東京工芸大学, 工学部, 講師 (80277368)
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研究分担者 |
美齊津 文典 東北大学, 理学研究科, 教授 (20219611)
西宮 信夫 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50208211)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マグネトロンスパッタリング / プラズマ診断 / プラズマ分光計測 / 光イオン化レーザー分光法 / 飛行時間型質量分析法 |
研究実績の概要 |
高出力パルスマグネトロンスパッタリング(HPPMS)で生成するプラズマ内粒子の中性粒子の分光密度計測は、レーザー誘起蛍光法(LIF)やレーザー光吸収法といった分光手法の適用によって既に数多くの研究報告例があるものの、HPPMSプラズマ内で重要な役割を果たすイオン粒子に対する絶対密度計測に関する研究例は非常に少ない。本研究では、2光子共鳴レーザー光イオン化法と飛行時間質量分析法を組み合わせた独自のプラズマ分光診断システムの開発によって、イオン密度計測を実現する。そのためには、(1)共鳴イオン化光源、(2)スパッタリング源、およびそれらの計測システムを独自に組み合わせて高度にシステム化することが求められる。これらに対する研究準備・開発状況に関して、今年度実施した研究内容を以下に示す。 (1)共鳴イオン化光源:予備実験となるスパッタTi中性粒子の2光子共鳴飽和レーザーイオン化法のための光源システムを組み上げ、Nd:YAGレーザーの9倍波発生のためのXeセルの設計・製作・設置を完了した。また、スパッタTi中性粒子の共鳴原子線を決定のための光ガルバノ分光およびLIF分光による原子共鳴線の探索を行った。 (2)スパッタリング源:2光子共鳴レーザー光イオン化を用いたイオン密度計測を行うのに最適と考えられる変調パルス電力(MPP)電源を用いたHPPMSの駆動方式の探索を行った。パルススパッタリングプラズマの特性を知る上で電力パルスON時間、OFF時間両者のスパッタリングプラズマ過程の分光計測に適した駆動方式として、単一マクロパルス内で制御(マイクロ)パルスがON、OFFを繰り返す深振動パルスマグネトロンスパッタリング(DOMS)を研究ターゲットに絞り、DOMSスパッタリングプラズマの基礎特性(電流・電圧波形、発光分光特性)を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、中性Tiの原子共鳴線に対するND:YAGレーザー励起色素レーザーの共鳴波長の決定に、光ガルバノ計(レーザー・ガルバトロン)を用いる予定であったが、現在入手困難であることが判明した。そこで本研究では、光ガルバノ計と構造をほぼ同じくする波長校正用のホロカソードランプの逆利用による光ガルバノ分光によって、原子共鳴線の励起波長決定を行なうよう研究計画を変更した。その結果、当初の実施計画から研究がやや遅れることとなった。また、今年度後半までのコロナ禍に対する行動規制によって、研究分担者・研究協力者を交えての共同研究の作業時間を十分に確保できなかった。このこともまた、実施計画からの遅れの原因となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度以降、ホロカソードランプを利用した光ガルバノ分光、およびHPPMSおよびDOMSスパッタリングプラズマ内の中性Ti粒子のLIF分光によって、共鳴原子線に対するレーザー波長決定法を確立する。はじめに、中性Ti粒子の2波長共鳴レーザーイオン化飽和分光による中性粒子の絶対密度計測を行う。それとともに、Ne:YAFレーザーの9倍波発生によるVUVレーザーイオン光源の稼働準備を進める。そして本研究の最終目的として、スパッタ生成Tiイオン粒子に対するVUV光イオン化レーザーを用いた2波長共鳴レーザーイオン化飽和分光を行ない、イオン粒子に対する絶対密度分光計測法を確立させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度後半までコロナ禍のため、研究分担者および協力研究者を交えての共同研究作業の時間を十分に確保できなかった。共同研究の作業計画に対する未実施分にかかる研究費用が主となり、次年度使用額を発生させた。
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備考 |
HiPIMS Today 2022(オンライン国際ワークショップへの参加) URL: https://www.hipims.today/
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