研究課題/領域番号 |
21K03512
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
古賀 麻由子 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (40403969)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高速点火核融合 / ターゲット / インジェクション / コイルガン |
研究実績の概要 |
レーザー核融合を実用炉まで発展させるためには燃料投入(ターゲットインジェクション)技術の向上が不可欠である。本申請研究は核融合炉に燃料を高速安定供給するための燃料姿勢制御を目的としている。 これまでの研究で、ガスによるターゲットの射出では、ターゲット速度が射出ガスタンクと観測部との圧力差によってほぼ決まっていること、当研究室の装置でも実用炉で求められている100±5 m/s のターゲット速度を達成できることを確認した。また、射出ガスの気流がターゲットの飛行姿勢を乱す一因と考え、小型装置において電磁力を用いた磁性体の加速減速を試み、これに成功した。 今年度は実際のターゲットを射出できるサイズの加速用コイルを製作、その特性を計測し、高加速のための指針を探った。作製したコイルのサイズは長さ50mm、内径19mmである。ターゲットを模擬した長さ25mm、直径 6mm の鉄棒(重さ 5.5g)を飛翔体として使用し、コイルにパルス電流を印加することにより生じる磁力で射出実験を行った。その結果、単位長さあたりの巻数を増やすことで飛翔体の速度は増加するが、500 巻(単位長さあたり 9.94 巻)以降は速度の増加量が少なくなることがわかった。巻き数を増やすことで磁力は大きくなるが、抵抗値も増えて電流値が下がるため、効果が相殺されるためと考えられる。 さらなる加速を行うため、加速管上にコイルを複数設置し、飛翔体が通過するタイミングでパルス電流を印加することで、多段階でターゲットを加速するシステムを構築した。新たに鉄製のサボーを製作し、本装置で実際の高速点火実験に使用されるサイズの模擬ターゲットを電磁力で射出することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた電磁力による射出システムは構築できた。しかしながら、対面実験が困難な時期もあり、加速管の内面研磨による姿勢改善については期間内に実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
加速管の内面研磨による姿勢改善については2022年度早期に行いたいと考えている。また電磁力によるサボー分離に加えて、機械的方法によるサボー分離も検討したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初物品費で購入を考えていたインジェクション装置やコイル製作に関する物品を別の外部予算で賄えたこと、高速度カメラの購入に当初予定以上の物品費が必要なことから、今年度の物品費の使用を抑えて次年度以降に使用することとしました。翌年度分の助成金と合わせて高速度カメラの購入をしたいと考えております。
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