ミスト化学気相堆積(CVD)における金属酸化物の薄膜合成の低温化に加え、酸窒化物の薄膜合成技術の実現を目指し、大気圧プラズマ源を用いたラジカル支援ミストCVD装置を構築した。そして供給されるラジカル種による、酸化亜鉛薄膜のミストCVD反応に与える影響や、合成後の薄膜への照射による効果を分析した。その結果、NHラジカル照射では膜のエッチング反応の影響が顕著であり、NOラジカル照射では基板温度の低下ととも膜成長の促成効果が見られた。またNHラジカルの影響を制御しつつ、ミスト原料の酢酸亜鉛溶液にエタノール溶媒を用いた結果、薄膜内に微量ながらも窒素含有を示唆する結果をX線分析から得ることに成功した。
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