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2021 年度 実施状況報告書

中間子原子核に反映される有限密度における対称性の効果

研究課題

研究課題/領域番号 21K03536
研究機関奈良女子大学

研究代表者

永廣 秀子  奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (10397838)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード中間子原子核
研究実績の概要

本研究は、量子色力学が持つ対称性を手がかりとして、ハドロンの性質を統一的に理解することを最終的な目的として、その一環として、eta'(958)中間子の有限媒質中での性質変化の解明を目指すものである。そのために、eta'(958)中間子と原子核の束縛状態を生成する可能性を理論的に議論している。
特に、ηおよびη'(958)中間子と原子核の束縛状態を生成し、核中でのハドロンの性質変化を分光スペクトルにおけるピーク構造から探ることを目的としている。これらの中間子は同じ量子数を持ち、互いに混合する粒子であるが、カイラル対称性の部分的回復に対する応答メカニズムが異なっていると考えられる。本研究はこれらの束縛系を包括的に議論することにより、有限媒質中におけるカイラル対称性回復のシグナルがどのように得られるのかを解明することを目指す。
現在、eta'中間子と核子との相互作用を明らかにするため、eta'中間子と同じ量子数を持つ軽い擬スカラー中間子(π中間子、η中間子、K中間子)とバリオン(N, Λ, Σ)の結合チャネルを理論的に取り入れている。現在、これに、ベクトル中間子を加味し、eta'中間子生成の閾値近傍におけるeta'N散乱の実験データの記述を試みている。これは実施計画に記述した理論体系の強化に対応する。
研究の進行は順調であり、2022年度にはこれらの理論模型を用いて、eta'と原子核の系を記述する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、バリオン共鳴状態を取り入れた理論体系の強化を行う計画であった。これが現在ほぼ完成し、現在、吸収幅に関するより詳細な理論的検討を行っている。以上のことから、研究はおおむね予定通り進捗している。

今後の研究の推進方策

今後は、これまでに完成した理論体系を用いて、有限密度中に拡張し、有限密度効果の定量的効果の評価を行う予定である。また、中間子原子核束縛状態の生成断面積を、新たな理論模型を用いて具体的に評価していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Two-Pion Emission Decay of Roper-Like Heavy Baryons2021

    • 著者名/発表者名
      Arifi Ahmad Jafar、Nagahiro Hideko、Hosaka Atsushi、Tanida Kiyoshi
    • 雑誌名

      Few-Body Systems

      巻: 62 ページ: 36

    • DOI

      10.1007/s00601-021-01625-0

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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