研究課題/領域番号 |
21K03565
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
新井 真人 山形大学, 理学部, 教授 (60633625)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ブレーンワールド模型 / 渦糸解 / ドメインウォール解 / ゲージ場の局在 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は5次元、6次元時空間において、Ohta-Sakaiらによって提唱されたゲージ場の局在機構(ゲージ結合定数が場に依存することによってゲージ場の局在が実現される機構)を用いて、ソリトン解を用いた現実的なブレーンワールド模型を構築することである。2021年度では、6次元時空上でのOhta-Sakaiらの機構を用いたブレーンワールド模型の構築を行なった。6次元次空間において3次元空間を表す3ブレーンを実現するためには、ソリトン解として渦糸解が必要となる。それゆえ、我々はまず大局的非アーベル渦を持つようなSU(5)大統一ブレーンワールド模型を構築した。この理論は、2つの非アーベル渦糸解が存在し、この存在のためにSU(5)ゲージ群は標準模型のゲージ群SU(3)xSU(2)xU(1)に破られる。また、模型にあるポテンシャルをdeformすることによって、渦糸解の間にドメインウォール解が導かれ、閉じ込めポテンシャルが導かれる。この閉じ込めポテンシャルによって2つの渦糸解は安定して存在することが示される。破れたSU(3)、SU(2)、U(1)に対応するゲージ場は、場に依存したゲージ結合定数を持つゲージ運動項のために2つの非アーベル渦糸解の位置に局在する。適切なゲージ固定項を導入して、ゲージ場の揺らぎを計算した結果、SU(3)xSU(2)xU(1)のゲージ場は渦糸解にmasslessで局在することが示された。ゲージ場の揺らぎの計算は、ゲージ場の運動項のゲージ結合定数が場に依存しているために非常に複雑になるが、ベクトル解析の手法を発展させることによって実行を可能とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の目的は、(A)標準模型が局在する5次元模型の構築、ならびに質量階層性、世代間混合の解明、(B)5次元SU(5)大統一理論の拡張、ならびに質量階層性、世代間混合の解明、(C)6次元SU(5)大統一理論の構築である。2021年度において、この3つの目的のうち(C)の一部が達成された。2021年度には6次元SU(5)大統一理論の構築したが、この模型では物質場が導入されていなかった。それを導入することによって(C)の目的が完全に達成される。(B)については、模型の構築は完了した。現在、質量階層性、世代間混合について解析を進めている。以上のように目的のうち3分の1程度は達成されており、計画は順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
まず、2021年度に構築した6次元SU(5)大統一理論に物質場を導入した模型を構築する。LibanovとTroitskyによれば、渦糸解の巻き数が3である時に、4次元時空の3ブレーンにフェルミオン場が3世代現れることが示されている。物質場を導入した6次元SU(5)大統一理論において、巻き数3の渦糸解を考えて、6次元SU(5)大統一理論を完成させる。また、2021年度に構築した5次元SU(5)大統一理論において、質量階層性、世代間混合について解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請をした時点ではiMac-Proを購入予定であったが、科研費を受給した時にはその機種が販売が終了になり、代替として購入できる機種がなかった。今年度は、代替機種として新たに発売されたMac Studioか、新しく発売される可能性のあるiMacを購入する予定である。旅費に関しては、昨年はコロナウイルスが世界的流行し、国際会議や学会が対面で開かれなかったため、旅費を使用して参加する機会を得られなかった。本年は、国際会議や学会が対面で行われるようなので、旅費を使用して参加しようと計画している。
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