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2022 年度 実施状況報告書

ストレンジネス核物理における粒子弁別用低屈折率固体チェレンコフ検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K03602
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

藤井 優  東北医科薬科大学, 教養教育センター, 教授 (30302079)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードフッ素樹脂 / 結晶性プラスチック / アモルファス / チェレンコフ検出器
研究実績の概要

本年度においては、目的とする低屈折率個体チェレンコフ検出器の材料となる、フッ素樹脂系の低屈折プラスチック 3M Dyneon THVP 2030GZ(以下THV)の、ペレット状の試料を購入した。まず、通常のプラスチック成型法の一つである押出成形により、直径約 5.5 cmの棒を試作した。カタログ値においては、240μmの厚さにおいて、600 nm 光の透過率が95.3%となっていたため、試作品においても肉眼で十分に透明なものが得られると予想していたところ、懸濁液のような白色状に濁ったものが得られた。この理由については、THVが結晶性プラスチックであり、通常の押出成形のように徐冷すると、結晶化により屈折率が場所によって異なってしまうためであると考えられる。よって、本研究の目的を達成するためには、アモルファス状態のまま固化させるという、通常のプラスチック成型とは異なる方法を開発する必要があることが判明した。
結晶性プラスチックでありながら透明度の高いものとしては、ポリエチレンテレフタラート(PET)製品などが挙げられる。結晶性プラスチックであっても、熱して液体にした後、急冷すればアモルファス状態になり透明度が保たれたままとなる。
よって、このことがTHVであっても可能か、についての予備実験を行った。具体的には、少量のTHV(個別のペレット)を熱して液体状にし、急冷するという手順をとったところ、視覚的には十分に透明であるとみなせる固体状のTHVを作成できる、ということが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の拡大およびロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け、試料の納期が大幅に遅れたため。

今後の研究の推進方策

サイズが小さい、あるいは薄いものであればアモルファス状態とすることで透明度が保たれることが判明したので、今後はアモルファス状態を保ったままバルク状のものを成型する方策について検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症およびロシアのウクライナ侵攻の影響により、研究に用いる試料の納品が遅れ、当初予定よりも研究開始時期が約1年遅れたため。
次年度においては、アモルファス状態のTHVを作成するための開発研究を行う。そのために必要な加熱加圧装置、レーザー加熱装置などのレンタル、あるいは業者への加工の依頼などに次年度使用額を充当する。

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公開日: 2023-12-25  

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