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2021 年度 実施状況報告書

多核子移行反応における角運動量移行の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03607
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

廣瀬 健太郎  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (20436083)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード多核子移行反応 / 角運動量移行 / 核分裂
研究実績の概要

本研究では、アクチノイド標的に酸素18などの入射粒子を照射し、散乱粒子と合成核が生成される反応において、散乱粒子と合成核が核分裂した後の核分裂片を同時検出する実験を行う。散乱粒子を検出・識別することで、合成核の励起エネルギーを導出し、核種を同定する。散乱粒子検出器と核分裂片検出器は、互いの立体角が最適になるように配置しなければならない。本年度は限られたビームタイムで現実的な統計量を得られる検出器配置を決定するためのシミュレーションを行った。散乱粒子検出器を標的から45mmの距離に配置し、有感領域200mm×400mmの核分裂片検出器をビームに対し±90°の方向に、標的から145mmの距離に設置することで、移行角運動量軸から測った場合に、全ての方向に5%以上の検出効率を持つことを確認した。これは本研究代表者がこれまでに行ってきた核分裂測定における検出効率と同程度であり、本研究で行う核分裂角度分布の測定に十分使用できる値である。この最適化にもとづき、検出器架台を製作して検出器系を構築した。また本年度は、散乱粒子検出器用の前置増幅器を購入した。さらにビームタイムを申請し、原子力機構原子力科学研究所タンデム加速器施設において、酸素18+ネプツニウム237反応を用いた核分裂角度分布の試験測定を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、当初予定していた(1)検出器配置をシミュレーションにより最適化すること、(2)散乱粒子検出器用の前置増幅器を購入すること、また(3)最適化に応じた検出器架台の製作・検出器系を構築すること、を達成した。さらに酸素18+ネプツニウム237反応における核分裂角度分布の測定を行ったことは計画以上の進展であるが、この測定では予定していたビームエネルギーが得られなかった。ビームエネルギーが低い場合には、grazing角が大きくなり、その分、散乱粒子検出器の位置を後方に移動することが望ましいため、このような場合に対処するための検出器配置を再考する必要がある。この点は新たな課題であるため、総合して「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

本年度に取得した酸素18+ネプツニウム237反応の実験データの解析をおこない、核分裂角度分布を導出し、理論計算との比較から、移行角運動量の導出を試みる。またビームエネルギーが低い場合に対応するための検出器配置を再考し、酸素18+キュリウム248反応の測定のためのビームタイムを申請する。

次年度使用額が生じた理由

本年度購入した前置増幅器が予想より高くなったため、当初購入予定であった信号ケーブルの購入を取りやめたため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度分研究費と合わせて、次年度購入予定のシリコン検出器に充てる。

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公開日: 2022-12-28  

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