| 研究課題/領域番号 |
21K03611
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
吉川 一朗 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (10311169)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 人工衛星真空排気 / 真空装置 / 大気暴露劣化 |
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| 研究実績の概要 |
大気曝露により性能が劣化する可能性のある宇宙機搭載の装置は、飛翔体の組み上げ時から宇宙空間に到達するまでの期間，真空中で保管する必要がある 現在までに用いられている方法は，真空ポンプを観測機の開口部に接続して，内部の空気および残留気体を排気し続け、真空を維持させることである。一般的な真空ポンプは継続的な電源供給を必要とする．しかしながら，衛星開発の制約上，継続的な電源供給が困難な期間がある．この期間にどのような対処をするか問題である。例えば、高感度な紫外線光検出器を最良の状態で宇宙に打ち上げるために，観測機を開発する研究者は，人的物的資源を大量に投入してきた．観測機の内部を真空に保つために投入した人的・物的資源を金額に換算すると，観測機の 開発費用に比べて2倍以上になる例も珍しくない．さらに，射場の現場の負担が大きい割にその効果は確実ではない。観測機の性能低下の抑制および宇宙科学ミッションの費用削減のために，継続的な電源供給を必要としない真空ポンプを開発する。初年度は、次年度以降に開発する無電源ポンプの性能を評価するシステムを構築した。厚みの無視できるオリフィスを介して、２つの真空容器を接続し、一方の真空容器は通常の真空排気システムで真空に保ち、他方には開発品を用いて排気を行う。２つの容器には真空度の差が生まれる。この差を正確に測定することにより、開発品の排気速度（単位 リットル毎秒）が求まる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた排気量測定装置の建造を主に行った。次年度以降には、この装置を用いた試作品の排気量を測定する。２つの真空容器は研究室の在庫を用いた。測定子などは新規に購入した。測定装置の試運転の結果、正常に動作していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
大気， 特に水（ H 2 O 分子） との反応で性能 が低下する装置の性能を維持するために， 宇宙機器に搭載可能な常時現電源を必要としないポンプを開発する。真空中で加熱すると活性な表面が生成し，室温に戻すと活性な気体を吸着し て 排気する機能性材料を用いる。開発方針は、活性化温度が宇宙機器の耐熱温度を下回ること、総排気量（排気可能な気体の量）が大きいこと、活性な気体分子 （特に H 2 O 分子） を 排気すること、打ち上げ
等 の衝撃でも損傷しないことである。
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