受光面に潮解性光電物質を塗布することが紫外線観測では常套であるが、飛翔体に搭載可能な無電源吸着ポンプも必要である。ジルコニウム合金を使い、無電源吸着ポンプを試作し、その排気速度を測定した。ターボ分子ポンプでは排気が困難である水素ガスに対しても、100リットル/秒以上の排気能力を有し、真空容器をターボ分子ポンプを使い8x10-5[Pa]まで真空引きした後、無電源吸着ポンプだけで真空を保持する。試験開始の直後から10日間では、5x10-5[Pa]から1x10-4[Pa]まで真空度は低下したが、無電源試作ポンプの性能は確認することができた。この後もこの割合で徐々に真空度が低下すると期待できる。
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