本研究では、赤方偏移0.4にあるコンパクトな星形成銀河をより遠方のコンパクト銀河に類似した天体として扱い、面分光観測による調査をおこなった。調べた天体について、Hα輝線が銀河全体にわたって検出され、明らかな円盤成分が見られないコンパクトな銀河でも電離ガスが200km/s程度で回転していることがわかった。また、星形成率、速度分散、[NII]/Hα輝線比が高く、ガスのアウトフローや活動銀河核の存在を示唆する輝線成分が見られるものもあった。このことから、大質量コンパクト星形成銀河は、活発な星形成活動を示しつつも、今後星形成が抑制され、楕円銀河に向かう途上にあるものである可能性が示唆された。
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