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2021 年度 実施状況報告書

水星バルク組成制約に向けたマントルー金属核間の元素分配に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03637
研究機関北海道大学

研究代表者

鎌田 俊一  北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40723474)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード硫化物容量 / 熱力学 / 準格子モデル
研究実績の概要

本年度は、まず熱力学データベースの取得・整理を行った。本研究で利用する冶金分野のデータは多数の研究グループにより精力的に整備が進められているが、各々が独自に最適化を行っている。そのため、不適切な組み合わせをしてしまうと、計算の精度が著しく低下してしまうという問題があることが発覚した。このような問題を回避するため、本年は今後の本研究の発展性も考慮したうえで、最も適切なデータベースを選定する作業を精力的に行った。選定基準としては元素組成や温度のカバー範囲や推定精度である。
また、本研究では「活動度」と呼ばれる熱力学量のモデル化が重要な要素となるが、その選定も行った。すでに予備研究でいくつかの先行研究で提案されたモデルについて比較したが、引き続き様々なモデルについて本研究における有用性を検証した。検証項目としては、活動度の推定精度やパラメータの数である。簡略化されすぎていると推定精度が低く本研究に用いることができない一方で、パラメータの数が多すぎると実験データがないために本研究に用いることができない。現時点では、比較的な古典的な「準格子モデル」を採用することにした。
また、本研究を遂行するためのハードウェア・ソフトウェアの整備を行った。ハードウェアとしては、多数の計算を効率よく計算するためのマルチコアワークステーションを中心に、ソフトウェアとしては熱力学平衡計算ソフトを中心に整備した。前者については、本研究開始以前の計算機と同様に操作ができるような環境整備(ネットワーク接続環境など)を行った。後者については講習会などに参加し、今後の研究に必要な操作を習得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

データベースの選定や活動度モデルの選定は着実に進んだものの、硫化物容量を推定するコードの実装までは終わっていないため、やや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

本研究で代表者は初めて熱力学を主題とする研究に取り組んでおり、データベースの重要性に対する理解が不足していた。しかし、本年度の研究で根幹部分をしっかり押さえた上、ハードウェア・ソフトウェア両面での整備が完了したので、来年度には硫化物容量を推定するコードの実装ができそうである。引き続き、粛々と研究を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

2021年度も学会がオンライン中心となり、旅費として計上したものが使われなかった。来年度は学会参加も増えると思われるため、それに割り当てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Application of the mixing length theory to assess the generation of melt in internally heated systems2021

    • 著者名/発表者名
      Vilella K、Kamata S
    • 雑誌名

      Geophysical Journal International

      巻: 229 ページ: 328-344

    • DOI

      10.1093/gji/ggab477

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of a Theoretical Sulfide Capacity Model2021

    • 著者名/発表者名
      Kamata, S
    • 学会等名
      AGU 2021 Fall meeting
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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