研究課題
本研究課題で用いる縦型環状電気炉の運転を開始している。本課題の珪酸塩鉱物の硫化実験には至っていないものの、その実験準備ともなるので以下の概要に含める。石英ガラス管真空封入法による加熱実験を今年度は4-5回実施した。加熱試料は、粉末石英、磁鉄鉱、および金属鉄粉末、の混合物で、ファヤライト合成を目的とした。ファヤライトは天然での入手が難しく、合成して実験・分析に利用することを目的とした。出発物質、加熱条件、を変えて行い、酸素分圧を考慮して行なった。生成物は解析中であるが予察結果から合成法の出発物質と温度の条件が確認できた。また、共同研究者によるシリカ相の相転移を調べるためエコンドライト試料の加熱を行った。本研究課題の予算の一部はこのための実験に用いた石英ガラス管の購入にあてたが、予算の一部は繰り越した。また、立川キャンパスへの移転後当装置のガス導入雰囲気制御を行う実験は行っていなかった。このため、アルゴンガスを導入する配管調整および補助ヒーターを導入して炉内温度勾配を調整するシステムの導入を実施した。前者は、ウスタイトとシリカとの反応によるファヤライト合成を可能にする。また、後者は、石英管内に温度勾配制御を行うことを可能にする。リュウグウの地球風化実験を当実験室にて今年度も継続して実施したこともあり、本課題を本格的に開始するには至らなかった。次年度以降、「地球の化学組成はいかにして決まったか?」の問題に答えるための珪酸塩鉱物の関与する硫化実験を開始することを計画している。
3: やや遅れている
リュウグウの分析を今年度も継続して実施したため、当科研費の研究テーマそのものの実験を開始するには至ってない。次年度以降に本格的に実施する。このために予算の一部は繰り越した。
今年度は、本格的に石英管を用いた珪酸塩の硫化実験を行い、生成物の観察・解析を実施し、本格的な実験的研究へと進める。
計画の変更のため。
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