研究課題
基盤研究(C)
沿岸は陸や人と外洋のインターフェースであり、多くの陸・人為起源物質が沿岸を介して外洋へ広がる。しかし、沿岸から外洋への輸送過程は未解明のものが多く、効果的な輸送を引き起こす「渦対」もその一つである。本課題では、(1)渦対の形成・発展に与える密度成層と地形の効果、渦潮(小渦)を伴う渦対の振舞、河川水流出に伴い渦対が形成されうること、を明らかにした。得られた結果は、河川・沿岸から外洋への海水・物質輸送の解明・モデリングの向上につながる。
海洋物理
本課題は、沿岸から外洋へ水・物質を効果的に輸送する「渦対」について研究し、河川水流出により渦対が形成されることを明らかにした。得られた知見は、海洋物理学・流体力学の発展に加えて、河川・沿岸から外洋への海水・物質輸送の解明・モデリングの向上に資する。河川から供給された淡水や物質が外洋でどこまで広がるかは、海洋の子午面循環や栄養物質循環・基礎生産を左右することから、海洋内炭素貯留への寄与を介して気候変動に影響する。さらに、近海の栄養物質循環や基礎生産は水産業や沿岸域の水質維持にも影響する。