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2023 年度 実施状況報告書

稠密・面的な非ガウス観測データの同化手法の刷新

研究課題

研究課題/領域番号 21K03668
研究機関気象庁気象研究所

研究代表者

堀田 大介  気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 主任研究官 (60805365)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードデータ同化 / 非ガウス分布 / 画像データ / 赤外画像
研究実績の概要

本課題では雲や降水に影響される気象衛星画像などの、非ガウス性の強い画像状の気象観測データを、機械学習手法の一つである変分自己符号化器を用いてガウス性の高い潜在変数に変換し、変換後の空間でガウス分布を仮定したデータ同化手法により解析を実施することで、これまで実現し得なかった、非ガウス・稠密 データの同化を実現することを目標としている。
2023年度は、前年度に引き続きフランス気象局附属気象学学校との共同研究により静止気象衛星ひまわり8号によるバンド13の赤外画像を用いて、現実データの変分自己符号化器による学習に取り組んだ(交付申請書に記載の研究実施計画中、2023年度実施予定とした【課題3】に相当)。変分自己符号化器の符号化器・復号器のネットワーク構造を工夫することにより、複雑な衛星画像に対しても現実のデータ同化に実用できるだけの再構成誤差(一度符号化した潜在変数を復号器に通して得られる画像と元の画像が、測器の観測誤差と比べ十分に小さい程度になること)を達成することができた。また、符号化した潜在ベクトルの分布が目論見通り無相関なガウス分布に近くなることを確認することができた。次のステップである実観測データの同化に向けて非常に有望な成果があったと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要にて記したとおり、交付申請書記載の研究実施計画中、2023年度実施予定とした【課題3】(現実データの変分自己符号化器による学習)を着実に実施できた上、潜在変数の確率分布がガウス分布に近いことなど、期待通りの結果が得られており、順調な進捗があったと考える。

今後の研究の推進方策

順調な進捗があることから、交付申請書記載の研究実施計画に従い、2024年度は現実データの現実システムによるデータ同化実験に向けた技術的な準備を進める。具体的には、Julia言語で実装された符号化器を観測演算子とみなし、Fortanで書かれたデータ同化システムから呼び出す仕組みを検討し実装する。この結果を用いて最終年度である2025年度には、現実データの現実システムによるデータ同化実験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

今年度掲載を目指していた論文の執筆作業が遅れたため、掲載料支出を今年度執行できなかった。執行できなかった金額は、次年度、同論文の掲載料に充てる計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Ecole Nationale de la Meteorologie/CNRM/CNRS(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Ecole Nationale de la Meteorologie/CNRM/CNRS
  • [雑誌論文] Forward operator for polarimetric radio occultation measurements2024

    • 著者名/発表者名
      Hotta Daisuke、Lonitz Katrin、Healy Sean
    • 雑誌名

      Atmospheric Measurement Techniques

      巻: 17 ページ: 1075~1089

    • DOI

      10.5194/amt-17-1075-2024

  • [学会発表] VAE as a Stochastic Multidimensional Extension to Gaussian Anamorphosis2023

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Hotta, Bun-Kim San,Loik Berre, and Vincent Chabot
    • 学会等名
      9th International Symposium on Data Assimilation
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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