研究課題
基盤研究(C)
北極海の水循環や物質輸送は、近年の気候変動、急激な海氷の後退によって、大きく変化している。これによる物質循環や生物生産の変化を捉えるために、化学成分、特に栄養塩や微量金属のより広範囲かつ高頻度の試料採取および分析が求められる。しかし、現行の船上・陸上の分析手法は煩雑で、高精度・高品質のデータベースの拡大は難しい。本研究では、マイクロ法によるケイ酸濃度測定法の開発・改良を行った。本研究を通して、北極航海や国際共同プロジェクト航海へ参加し、データベースの構築に大きく貢献した。
海洋化学
新しい分析手法の開発を通して、本法で使用している分析装置を用いることで、複雑な化学反応を理解でき、またその最適化を効率的に行うことが可能となった。そのため、現在までに使用されているフロー法では、その煩雑さと測定に要する分析時間の長さ、またその変動のために、最適化が難しかった化学分析手法においても、本法を応用することで、最適化が可能となる。今後、吸光法や蛍光法を主とする分析法への応用によって、船上において汚染が少なく、またコンピュータ制御が可能な化学分析の大きな発展が期待できる。