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2021 年度 実施状況報告書

ウェーブリップルが地層に残される定量的条件の解明:浅海堆積物から分・秒を読み取る

研究課題

研究課題/領域番号 21K03677
研究機関茨城大学

研究代表者

山口 直文  茨城大学, 地球・地域環境共創機構, 助教 (80634120)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードウェーブリップル / 水路実験 / 堆積速度 / 堆積構造 / 浅海堆積物
研究実績の概要

古水理条件や堆積環境の復元を目的としてウェーブリップルの形状などの特徴についてはこれまで数多くの研究がなされてきたが,それらが地層に保存される条件については手つかずの状態である.本研究では,ウェーブリップルが地層に保存されるために満たす必要がある条件を,砂または泥を供給して地層を形成する水路実験によって定量的に求めることを目指す.
初年度である令和3年度は,造波水路実験の環境と,実験で得られる画像データを解析する手法の整備,さらにその手法の予備実験データへの適用を行った.前者については,特に水路内に設置する仕切りの設定や水路上からの堆積物供給装置の準備を行った.堆積物供給については,予備実験によって本研究の目的に合う堆積速度の調整ができた.また,解析手法としては,側方からインターバル撮影された画像データの地形表面を自動的にトレースし擬似的な堆積構造を作成するプログラムの準備ができた.
このプログラムを予備実験の解析に適用した結果,上方からの堆積物供給によるウェーブリップルの形状変化の特徴が明らかになった.砂の供給速度(堆積速度)が大きくなるにつれて,一部のウェーブリップルは平坦化し始め,やがてほぼ全てが消失した.この結果は,ウェーブリップル葉理が形成される場合に,堆積速度の上限が存在することを示している.この成果は,実際の地層に残されたウェーブリップル葉理から,堆積速度の制約条件が得られる可能性を示唆している.この予察的な成果は,国内学術誌(堆積学研究)に投稿し受理された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験準備などは予定通り進めることができたが,夏季から予定していた本実験が,新型コロナウィルス感染拡大によるまん延防止等重点措置を受け,施設利用が制限され実施できなかった.このため,今後実験で得られるデータの解析手法の準備などを行い,これまでの予備実験の結果に適用して解析を進めるなど成果が得られたものの,新たなデータを得ることができなかった.こうした状況をふまえ,「やや遅れている」と判断した.

今後の研究の推進方策

上述のように実験準備は整っており,実験時間を確保でき次第開始する予定である.令和4年度内には,予定している砂の供給による実験を終え,学会発表および論文投稿ができる段階まで進めたいと考えている.

次年度使用額が生じた理由

進捗状況に記載した通り,実験の開始が予定より遅れたため,実際に実験を進めながら選定する予定であった物品を購入できなかった事が次年度使用額が生じた理由である.令和4年度には実験開始できる予定であり,これらの物品についても実験を進めながら随時購入していく.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 堆積物供給がウェーブリップルの形状に与える影響:造波水路実験(予報)2022

    • 著者名/発表者名
      山口直文・滝 俊文・関口智寛
    • 雑誌名

      堆積学研究

      巻: 80 ページ: 3-9

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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